携帯での日本語入力は、数年前と比べて大きな進歩を遂げた分野です。機種によって使い勝手が全然違う点ですが、こればっかりは店頭のモックをいくら触ってもまったく分からないですよね。
P901iSの文字入力周りは、改善の余地が大ありだと個人的には思っています。以下、どこがなぜ気になるのかを検証していきたいと思います。
P901iSには、3つの文字入力方法があります。
かな方式は、最も一般的な入力方法です。「お」と打つには「あ」を5回打つ方法ですね。3キャリアどこの携帯でも使える方法です。
2タッチはかつてのポケベルと同じ入力方法で、ドコモ端末ではN、P、SHがサポートしています。子音と母音の組み合わせで入力する方法で、「あ」はア行(1)の1番目の文字なので「11」と押せばOK。「明日」と打つには「1132」と打って変換します。
T9はNECのムーバ/FOMA端末とパナソニックモバイルのFOMA端末に特徴的な入力方式で、子音だけ指定すると、単語候補を選んで表示してくれるものです。「明日」と打つには「134」と打って候補の中から「あした」を選び、変換します※。
3つも入力方法があるものの、どの方法も少しずつ欠点があり「これが一番速く打てる」と言えないところが悩みどころ。悩んだ末に今は2タッチで入力しているのですが、これがベストとも言いづらくて……。
以下、手持ちの端末(ドコモ「SH901iC」とau「W22H」)と比較しながら、それぞれの入力方法で気になる点をチェックしていきましょう。SH901iCには「ケータイShoin」、W22Hには「ATOK for au+APOT」という変換エンジンが載っています。なお、3機種ともある程度の期間使いこんだ端末なので、辞書が学習した状態になっていることはご了承ください。
まずかな方式から。予測変換※に入るのに↓キーを長押ししなくてはいけない、というのは前回書いた通りなのですが、実はそもそもこの予測変換辞書が使い物にならないという話もあったりします。
下の写真は、「あ」と1文字打ったところです。P901iSの予測変換候補は10単語、SH901iCは99単語(全角/半角の「ア」も含まれているので実質97単語)、W22Hは46単語出てきました。
こんなに候補が少ないのは、予測変換辞書が初期状態では空っぽなため。そう、P901iSは、自分が入力・変換した文字列(の一部)しか、予測変換候補として出してくれないのです。
次に、アルファベットを入力するケースを見てみましょう。例えば、最初カタカナで「スクリプト」と打つつもりが、打っている途中で「SCRIPT」と英語表記したくなることがあります。
ほかの携帯の文字入力では「かなモードのまま入力し、英数カナキーを押して変換する」という入力方法が便利なのは前回書いた通りですが、このほかに「カタカナ語を入力・変換すると、英語で入力される」という機能があります。携帯で英字を打つのは面倒なので、この機能はなかなか便利なのですが、これもP901iSは対応していないんです。残念。
でもこれは、ダウンロード辞書を追加することでなんとかなります。「iMenu」−「メニューリスト」−「ケータイ電話メーカー」−「P-SQUARE」でP-SQUAREのサイトにアクセスすると、ダウンロードできる辞書が表示されるので、その中から「カタカナ英語辞書」を選んでダウンロードします。保存したら「メニュー」−「ユーザーデータ」−「ダウンロード辞書」−「ダウンロード辞書を選択」でカタカナ英語辞書が使えるようになります。この辞書の語彙数もそう多くはありませんが(Japanは変換できても、Japaneseはダメだったりとか)、でも入れるといくらかラクになります。
う〜ん、文字入力の話はどうしても長くなってしまいますねえ……。2タッチとT9の話は次回に。
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