「簡単・かわいい」小熊の携帯Taipei Telecom 2005

» 2005年07月21日 20時38分 公開
[山根康宏,ITmedia]

 日本のツーカーSを始めとして、海外でも簡単操作、設定不要な携帯電話がいくつか発売されているが、台湾からは見た目もユニークな製品が登場している。

まるで玩具のようなI-Series

 台湾の携帯電話OEMメーカー、i-care Telecomが展示していたシンプルケータイ「I-Series」は、外観からしてユニーク。小熊の形状に5色から選べるパステルカラーのボディーは、まるで玩具のようだ。

i-care Telecomのブース。子供向け商品の何かを扱っているメーカー、といった雰囲気
手足の4つのボタンにそれぞれ電話番号を登録可能。登録は簡単で、ほかの携帯からSMSで登録したい電話番号を送信するだけ

 液晶ディスプレイやテンキーを備えておらず、一見しただけでは携帯電話には見えないだろう。本体をよく見ると、小熊の口の部分の左右が「切断」「発信」ボタンに、また手足の先の部分の4カ所はそれぞれがワンプッシュ発信ボタンになっている。各4つのボタンにはあらかじめ電話番号を登録しておくことが可能だ。

 耳の下の左右にはSOSボタンがあり、緊急時にはここを押すと最大3つの番号宛にメッセージを送信できる。小さな子供でも簡単に電話をかけたり、緊急発信ができるわけだ。なお着信に制限はない。

色は5色。専用のケースがあり、これに入れて首からぶら下げておくことも可能

 I-Seriesは対象ユーザーが子供であることから、操作性以外にも配慮が見える。筐体の色は塗装ではなく、あらかじめ色のついた素材を採用した。子供が口にしても、表面の塗料がはげて体内に入らないようにするためだ。またSAR(Specific Absorption Rate:電磁波吸収比率)値も低く抑えられている。子供が毎日使っても健康に害を及ぼさないよう気配りされている。

 I-Seriesの連続通話時間は90分、待受時間は100時間。対応システムはGSMで、モデルにはGSM900/1800/1900MHz対応のヨーロッパ、アジア向け「3600」と、GSM850/900/1900MHz対応の北米向け「3800」の2種類がある。セールス担当の同社Jason Chang氏によると、世界中どこへでも出荷することが可能とのこと。またGSM以外のシステムへもオーダーメイド可能で、例えば日本のPHS方式なら「製造ロット数の相談が必要だが、見積もりを出すことはできる」(Chang氏)。同社はPHS、CDMA方式の技術も持っており、W-CDMAに関しても開発中とのこと。

 I-Seriesは2004年春から台湾で発売開始され、現在はシンガポールやマレーシア、ヨーロッパの一部の国でも発売されている。

年配者にはペンダントスタイル

 I-Seriesとはうって変わって、おとなしいペンダントの形状をしたS-Seriesもあった。こちらは年配者向けの簡単ケータイ。普段は首からぶら下げておくことができる。

こちらは高齢者向けのS-Series。色は黒以外に、ピンクなども予定されている

 基本機能はI-Seriesと同じで、真ん中に発信キーと切断キー、それを囲うように4つのワンプッシュボタン、さらに本体左右にSOSキーを備える。

 発売は年内を予定しており、細かい部分は開発中だが、追加機能として音声認識機能とGPSの搭載を考えているとのこと。音声認識発信が可能になれば、手の不自由なお年寄りでもボタンの1つだけを押し、あとは登録した名前を呼ぶだけで電話をかけられる。

 なおS-SeriesもI-Series同様に、ヨーロッパ、アジア向けのモデル「3500」と、北米向けのモデル「3700」の2種類が用意されている。

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