バンジージャンプする「君は誰なんだ?!」Mobile&Movie 第172回

» 2005年07月29日 16時39分 公開
[本田亜友子,ITmedia]
作品名バンジージャンプする(BUNGEE JUMPING OF THEIR OWN)
監督キム・デスン
制作年・製作国2001年韓国作品


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 今回ご紹介する作品は、携帯電話の着メロがきっかけで運命の恋に気付く「バンジージャンプする」。大学生から実年齢の教師役まで、作中で幅広い年代を演じるイ・ビョンホンが主役です。そして恋人役は、この物語のように命の炎を燃やし、今年2月に訃報が伝えられた女優のイ・ウンジュ。美しくも哀しい、青春の日々が描かれた作品です。

 1983年のどしゃ降りの雨の日、ソ・インウ(イ・ビョンホン)の傘の中に見知らぬ女性が突然入ってきました。美しい彼女の横顔に、一目惚れしてしまうインウ。インウは無言のまま彼女がバスに乗り、去っていく後姿を見送りました。それ以来、インウは彼女を探し求め、出会ったバス停で再会できる日を待ち続けていました。

 大学の友人は、名前も知らない彼女へ熱をあげるインウをからかってばかり。そんな時、インウはキャンパスで彼女を目撃します。なんと彼女は同じ大学の彫刻科の学生だったのです。彼女の名前はテヒ(イ・ウンジュ)。インウは少しでもテヒに近付きたくて、自分の授業をサボって彫刻科に忍び込んでいました。

 そんなインウに、テヒは最初はそっけない態度をとっていましたが、インウの一途な気持ちにほだされ、付き合うことに。やがて恋人同士になることが当然であったかのように、二人は深い絆で結ばれていきます。愛する人に出会えたら渡すつもりだった、というライターをインウは受け取ります。それは、テヒの自画像が彫り込まれていました。ライターをもらったインウは大喜びで、煙草をかっこよく吸う練習を始めたのでした。

 インウの煙草を吸う姿がサマになって来た頃、二人に別れが近付いてきました。インウが兵役に行かなければならなくなったのです。必ず帰ると信じていても、いつでも一緒だった二人にはつらすぎる空白。見送るのはつらいけれど、遅れても必ず駅には行くと言っていたテヒ。しかし、いつまでたってもインウの前にテヒは現われませんでした。そして、それがインウとテヒの恋の終わりとなってしまったのでした。

 時は過ぎ、2000年の新学期。インウは国語教師として高校に赴任します。担任となったクラスで挨拶をすると、生徒たちに初恋の話を催促されてしまいます。テヒとの恋を思い出して

 「雨の日に、一目で恋に落ちた」

 とつぶやくと、男子生徒イム・ヒョンビンが

 「恋は落ちるものではなく、知るものです。やっと出会えた相手だって」

 と発言。テヒとの恋を言い当てられたようで、動揺するインウ。それ以来、ヒョンビンの言動が気になってしまうようになります。ある時、誰もいない教室で携帯電話の着メロを耳にするインウ。そのメロディは、テヒとの思い出の曲でした。十年以上前、夕暮れの海辺でワルツを踊った時に、テヒが歌っていたメロディだったのです。

 テヒとの楽しかった日々、熱い気持ちが蘇り、取り乱すインウ。着メロが鳴っていた携帯電話はヒョンビンのもの。ヒョンビンの彼女ヘジュから“めちゃめちゃ愛してる”というメールが届いていたのでした。思わず携帯を手に取り、ヘジュからのメールを消去してしまったヒョンビン。嫉妬に似た気持ちを抱く自分に驚き、インウは混乱してしまいます。

 「お前は誰なんだ?!」

 奇妙な偶然が続く中、テヒとヒョンビンは何か関係があるのではないかとインウは疑い始めます。そうして、その疑問を解こうとすればするほど、もつれていく想い。ヒョンビンはテヒの生まれ変わりなのか? それとも?

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2024年03月29日 更新
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