リンダ リンダ リンダ「ライブの前に会えないかな」Mobile&Movie 第174回

» 2005年08月12日 05時48分 公開
[本田亜友子,ITmedia]
作品名リンダ リンダ リンダ
監督山下敦弘
制作年・製作国2005年日本作品


 文化祭で最高のステージを見せようと練習を重ねてきた、軽音同好会のガールズバンド。本番まであと3日という時に、ギターのメンバーが体育の授業中に指を骨折し、演奏できなくなってしまいました。高校生活最後の文化祭にどうしても出たいという恵と、オリジナルメンバーでやらなきゃ意味がないというボーカルの凛子は対立し、バンドは空中分解。残されたドラムスの響子とベースの望は、恵に誘われて新しいバンドとして文化祭に出ることにします。

 恵は元々キーボード担当で、ギター初心者。しかたなくギターをやることになったものの、3日で弾ける曲を練習しなければなりません。どんな曲を演奏するか、部室に置いてある楽譜の中を探していた時に、古いカセットテープを見つけます。さっそく聞いてみると、流れてきたのはブルーハーツ。聞いてすぐに3人の気持ちはひとつになり、ブルーハーツのコピーバンドとしてライブすることに。

 響子と望は、恵がボーカルと思っていましたが、恵はギターを弾くのにせいいっぱい。恵は今からボーカルを探そうと言い出します。文化祭の準備で慌しい校内、めぼしい子をスカウトしますが、なかなかうまくいかず。そんな時通りかかった韓国からの留学生ソンが、恵に声をかけられます。バンドのボーカルになってという急な頼みを、ソンはあっさり了承したのでした。

 こうして、新しいバンドのメンバー4人が決定しました。本番まで時間がないので、さっそく練習を始めたところ、4人の音はバラバラ。特にギターの恵は演奏になっていないありさま。それでも間に合うようにと、夜遅くまで部室に残り、何度も繰り返しブルーハーツの曲を演奏する4人。このバンドは、“パーランマウム”と名付けられました。

 ソンは、恵や響子、望とはほとんど面識がありませんでしたが、バンドの練習をしていくうちに友情が深まっていました。恵は気が強く口も悪いけれども、実は一番優しい女の子。部室で練習ができないとなるとすばやく携帯電話で、スタジオを抑えちゃう行動派。望は口数は少ないけれど、音楽に対する熱いハートを持っている女の子。そしてバンドで一番のしっかり者。響子は、みんなを和ませるムードメーカー。そしてクラスメイトの大江くんに片想い中。そんな響子の恋愛をソンはカタコトの日本語で励まします。

 「好きだと言った方がいい」

 ソンの言葉と文化祭の熱気に背中を押されたのか、とうとう響子は決意して、ライブ前日に携帯電話をかけます。

 「もしもし山田です」

 緊張しながら伝える響子。

 「大江くん、明日空いてる?」

 彼も電話の向こうで緊張しているよう。

 「ライブの前に会えないかな」

 こうして、響子はライブの前に大江と待ち合わせをしたのでした。

 そして、当日の朝。3日間ほとんど寝ないで練習に明け暮れた4人は、疲れきっていました。本番の朝とは思えないローテンションでも、すべては今日のためにやってきたこと。即席コピーバンド“パーランマウム”のステージは成功するのか? 響子の愛の告白の行方は? 文化祭のざわついた雰囲気の中で、甘酸っぱい高校生気分が味わえる青春映画です。

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