「mopera U」のWeb圧縮機能を使ったWebアクセスを試してみました。PC向けのWebサイトはリッチコンテンツ化が進んでいるので、画像を中心にデータ量を削減してくれる機能でも使わないと、パケ・ホーダイ未対応のM1000ではパケ死の恐怖にさらされます。
mopera UのWeb圧縮機能はクライアントソフトが不要なタイプ。mopera UのWebサイトにアクセスして設定を行います。M1000からも行えますが、FOMAのパケット通信で接続すると通信料金が発生するので、事前にPCで設定しておくのがいいでしょう。
Web圧縮機能は機能全体をオン/オフできるほか、画像の圧縮率を「JPG」「GIF」「PNG」のフォーマット別にそれぞれ5段階に変更できます。画像以外の文字情報も圧縮されますが、こちらは見た目は変わりません。おそらくHTTP 1.1の機能を利用しているのだと思いますが、現在のWebブラウザのほとんどはHTTP 1.1に対応していますから、PCからの利用でも問題はないはずです。
検証はWeb圧縮オフと、オンで画像圧縮を「JPG」「GIF」「PNG」全てを圧縮率1/3/5に設定した4パターンで実施。筆者のmixiのトップページを表示した際のデータ送受信量を計測しました。Web圧縮の設定を変更するたびに(1)ブラウザのキャッシュをクリア (2)インターネットに未接続の状態でWebサイトにアクセス (3)接続先として「mopera U」を指定 (4)Webサイトをすべて読み込んだらインターネット接続を切断 (5)バイトカウンターで「最後」のデータ送受信量をチェック──という手順で行っています。
結果は以下の通り。Web圧縮を利用しない場合と最大で画像圧縮した場合の送受信量を比べると、倍くらいの違いが出ます。小さい画像がいくつも表示されるWebサイトなので画像圧縮の効果が大きかったようです。
送信 | 受信 | 合計 | |
---|---|---|---|
Web圧縮オフ | 57Kバイト | 202Kバイト | 259Kバイト |
Web圧縮オン 画像圧縮1 | 56Kバイト | 142Kバイト | 198Kバイト |
Web圧縮オン 画像圧縮3 | 52Kバイト | 107Kバイト | 159Kバイト |
Web圧縮オン 画像圧縮5 | 53Kバイト | 85Kバイト | 138Kバイト |
文字中心のサイトの場合はどうでしょう。Gooleのトップページからキーワード「M1000」で検索し、最初のページを表示するまでのデータ送受信量も計測してみました。
結果は以下の通り。文字中心でもWeb圧縮を使うとデータの送受信量が半分以下になりました。
送信 | 受信 | 合計 | |
---|---|---|---|
Web圧縮オフ | 12Kバイト | 33Kバイト | 45Kバイト |
Web圧縮オン 画像圧縮5 | 7Kバイト | 14Kバイト | 21Kバイト |
「トップページのGoogleロゴの圧縮率が大きいのでは」と思う人もいるでしょう。このロゴはWeb圧縮オフだと8.55Kバイト、Web圧縮オンで画像圧縮5だと1.9Kバイトと圧縮率はたしかに高いのですが、データ削減量としては6.65Kバイトですから、このロゴの圧縮だけが有効というわけでもないようです。Web圧縮オンだとデータ送信量も削減されている点がユニークなところです。
いいことずくめにも見えるWeb圧縮ですが、問題もありました。どうもレイアウトが複雑なサイトだと表示速度が極端に低下するのです。例えば「ITmedia +D Mobile」のトップページはWeb圧縮オフだと1〜2分程度ですべての読み出しが完了しますが、Web圧縮オンだと最低でも5分以上かかるのです。10分以上かかることもありました。
検証に使ったmixiのトップページでも、Web圧縮オンにすると2倍以上は読み出しに時間がかかります。時間帯の問題かと思って早朝などにも試しましたが、結果はあまり変わりませんでした。
もちろんすべてを読み出す前でもサイトの閲覧はできますが、この時間のかかり方は尋常ではないし、せっかくのFOMAの高速パケット通信が活かされません。M1000のブラウザ側の問題なのか、Web圧縮機能を提供しているサーバ側の問題なのか分りませんが、これはちょっと不便です。
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