ウィルコムは9月27日、4xパケット通信対応の日本無線製端末「WX310J」を発表した。ビジネスユースを意識した端末で、構内PHSの子機としても利用できる。指紋認証機能やリモートロック機能を装備してセキュリティを強化し、半面、カメラ機能を搭載していないのが特徴だ。
今回発表された中では唯一のストレートモデル。シルバーとレッドの2色展開で、発売予定は2006年1月中旬。価格はオープンプライスだが、端末価格は2万円台と見られる。
Webブラウザは「NetFront V3.3」を搭載し、HTMLで書かれた、PC用のWebサイトが閲覧できる。Flashには対応していない。また「WX310SA」と同様、Java(MIDP2.0)を採用しており、ゲームなどのJavaコンテンツが利用できる。9月27日現在、11社からJavaコンテンツの提供が予定されている(9月28日の記事参照)。
WX310Jの最大の特徴が、指紋認証デバイスだ。本体中央にある指紋認証デバイスは、操作キーとしての機能も備えている。センサーの上で指をスライドさせることでカーソルの上下左右操作が行え、センサーを長押しするか、センサーの下のボタンをクリックすることで、決定の操作が行える。
一度指紋認証をパスすればどの指でも操作できるが、認証を通らないと一切の画面操作ができないため、高いセキュリティが保たれる。なお、鍵となる指紋を見る指は複数登録できる。「指紋認証センサの周りは防塵加工がしてあるので、汚れは気にしなくても大丈夫」(説明員)
他のセキュリティ機能としては、「WX310SA」と同様のリモートロック機能も備えており、遠隔操作による電源のオン/オフや、データの一括消去ができる。
WX310Jには、ビジネス利用を想定した機能が多数搭載されている。1つはICレコーダー機能。保存形式は明かされなかったが、録音したデータはMiniSDカードに保存できる。
メールに添付されたり、miniSDカードに保存されているPC用のドキュメントファイルを閲覧する機能も備えている。ACCESS製の「Document Viewer」によってWord、Excel、PowerPointファイルに、「Adobe Reader LE」(3月10日の記事参照)によって、PDFファイルに対応している。PDFファイルはWebブラウザ上でも閲覧可能だ。
PCとの連携機能も強化されている。PCと携帯端末とのデータ同期を実現するアプリケーション、「Intellisync」に対応しており、Outlookとのデータ連携ができる。このほかWX310シリーズ共通のスペックとして、USBマスストレージクラスに対応しており、端末下部のUSB端子をPCに接続することで、miniSDカードをPCから読み書きできる。
ビジネス利用として特徴的なのが、自営2版プロトコルに対応しており、PBXに登録することで構内PHSシステム内の内線電話として利用できる点。NTTドコモの構内PHSシステム「PASSAGE」(2月7日の記事参照)の子機としても利用できる。
文字入力は「Advanced Wnn version1.2」を搭載、予測入力機能にも対応している。カメラ機能は内蔵しない。
製品名 | WX310J |
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メーカー | 日本無線 |
サイズ | 約53(幅)×119(高さ)×16.5(奥行き)ミリ |
重さ | 約125グラム(予定) |
連続待受け時間 | 約550時間 |
連続通話時間 | 約6時間 |
電話帳 | 1000件 |
メイン液晶 | 2.4インチ/240×320ピクセル表示(QVGA) |
Webブラウザ | NetFront V3.3 |
Java | 対応(MIDP 2.0) |
Flash | − |
予測変換機能 | Advanced Wnn V1.2 |
MIDI音源 | 64和音 |
データ通信 | 1x/4xパケット、フレックスチェンジ、64k/32k PIAFS |
内蔵カメラ | なし |
セキュリティ | リモートロック、指紋センサー |
その他 | ハンズフリー、自営2版対応、USBストレージ(miniSD装着時のみ)、Excel/Word/Powerpoint/PDF閲覧対応、Intellisync、QRコード、miniSDスロット、バイリンガル(日本語・英語) |
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