音声定額が、注目を浴びるようになってきた。この分野ではウィルコムが先陣を切って、月額2900円でウィルコムPHSユーザー同士が無料になるというプランを発表。ボーダフォンもこれに追随し、「家族間であれば」通話定額サービスを開始した(4月20日の記事参照)。ボーダフォンはさらに、月額315円で特定の1人にメールも音声もし放題になる「LOVE定額」を発表(10月11日の記事参照)。家族以外のユーザーとも定額通話可能にした。このほかNTTドコモも、PTT(プッシュ・ツー・トーク)を利用して音声定額サービスを提供するのではと見る向きもある。
こうした音声定額にユーザーはどれくらい興味を持っているのか、またサービスに求められることは何なのか。ITmediaでは10月中旬、ITmedia読者を対象にアンケート(10月12日の記事参照)を行った。その結果を発表しよう。
回答したユーザーの属性を見ると、ITmediaの読者調査では毎度のことだが男性比率が高い。今回、顕著だったのは回答者の加入キャリアで、市場シェアの多い「ドコモ」が35.1%、「au」が36%と比較的高いのは当然だが、「ウィルコム」ユーザーも29.5%と多数回答している。ほかに「ボーダフォン」が20.5%、「ツーカー」も2.0%いた。 |
アンケートでは音声定額にどの程度興味があるか、「音声定額のためならキャリア変更、機種変更も考える」かどうかを質問した。ITmedia読者の回答は以下のとおり。
実に40%近いユーザーが「キャリア変更も考える」と答えており、「機種変更も考える」を合わせると60%超が強い興味を示している。「あればいいとは思うが、キャリア変更・機種変更するほどではない」とするニュートラルな立場が30.9%で、否定的な意見は10%以下に止まった。音声定額に興味ある読者がアンケートに回答した……という事情を差し引いて考えても、ユーザーの高い関心が見てとれる。
音声定額に1つ注文をつけるとしたら、何を選ぶかの問いで一番多かったのが「通話できる相手先を多くしてほしい」で35.4%。逆に比較的少なかったのが「(通常の)携帯電話に劣らない音質レベル」だった。音声定額を実現できるサービスなら、多少音質面は目をつぶろうと割り切る読者も多いようだ。
選択肢 | % |
---|---|
通話できる相手先を多くしてほしい | 35.4% |
料金を安くしてほしい | 25.4% |
携帯電話と同等レベルの使い勝手 | 21.4% |
携帯電話に劣らない音質レベル | 12.0% |
そのほか、不明 | 5.8% |
それでは、音声定額を利用して誰と通話をするのか。事前に予想されたことだが、やはり「恋人」と答えた読者が66%で1位だった。ただし、男女別に見ると少々興味深い傾向も浮かび上がってくる。
今回のデータはすべて、推測統計学に基づく判定をかけている。そこで男女間で「話す相手は恋人」と答えた割合を比較してみると、有意な(=統計上“偶然で生じる差ではない”と判断される程度の)差があった。つまり女性のほうが明らかに、男性より恋人と話したがる傾向があった。
逆に、男性が話す相手として「仕事の関係者(社内)」および「仕事の関係者(社外)」を選んだ割合は、女性よりも有意に高かった。つまり男性は女性と比べ、明らかに仕事関係者と話をしたがる傾向があった。もちろん全体で見れば、男性も「定額通話候補」として恋人や友人を優先していることは間違いないのだが。
音声定額で誰と話したいか、という項目では、回答者の年齢別にデータを比較しても面白い結果が出ている。
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