ドワンゴは、ひろゆき氏と組んで何を始めるのか(2/3 ページ)

» 2005年11月29日 18時00分 公開
[杉浦正武,ITmedia]

 ニワンゴでは、携帯キャリアが提供する有料の優先接続サービスを利用している。このため「友人からメールが返信されるのよりも、早いと考えてもらっていい」。ただしゲームコンテンツなどではエンタメ性をもたせるため、時にあえて遅延させることもあり得るという。

 もう1つ気になるのが、メール本文欄という極めて自由度の高い入力ツールを利用すること。例えば「乗換」というコマンドを想定していても、ユーザーは「乗り換え」「乗換え」「乗り継ぎ」などさまざまな言葉を入力する可能性がある。これらすべてをコマンドとして適切に認識できるのか。

 杉本氏は、コマンドはいくつか想定されるものを用意する上、ユーザーのログをモニタリングしてどんなワードが多く入力されたか随時チェックすると話す。ニワンゴではどのユーザーがどの本文を作成したかは直接見ないが、どんな文面が多かったかは把握している。このデータをもとに、サーバがより賢く応答できるようチューニングしていく。

 「あいまいな文面には、誘導していくメールを返信することも考えている。『のりつぎ』と入力したユーザーに『乗換』のことですか? と返信する、といった具合だ」

ニワンゴの「ニ」は西村博之の「に」

 今回、話題を集めたポイントの1つが国内最大規模の匿名掲示板サイト「2ちゃんねる」の管理人である、ひろゆき氏を取締役に迎えたことだ。杉本氏は、ドワンゴとひろゆき氏の接点は未来検索ブラジルにあると話す。

 「もともとドワンゴの会長が、未来検索ブラジル側と検索テクノロジーを利用して何かできないかと話していた。未来検索ブラジルさんのスタッフもこのプロジェクトに取り組んでいただいており、その流れで(未来検索ブラジルの取締役である)ひろゆきさんにも新会社に参画してもらおうということになった」

 杉本氏は、ニワンゴの「ニ」は西村博之の「に」なのだと話す。「開発コードだったのだが、それがそのまま社名になった。残念ながら、『2ちゃんねる』の「に」ではない」。ひろゆき氏には、企画力、発想力、サーバ設計や管理のノウハウなどを期待しているという。

 ドワンゴは2ちゃんねるのキャラクターが登場するテレビCMで話題を集めた企業だが、今回特に2ちゃんねるとのつながりを強調することはしていない。「ゴシップとしてではなく、サービスの良い面を見てほしい」

広告モデルを採用、ただし詳細は詰められていない

 最後に、ニワンゴのサービスを語る上で重要なのが「どのような収益モデルを描いているのか」だ。リリースでも触れられたように、広告モデルを採用することが明かされている。

 「ドワンゴは従来、着信メロディをメインにやってきた。しかしこれからは、(広告モデルで成り立つ)勝手サイト系にも注目して事業の幅を広げていく必要がある。実際に、携帯向け広告業界の広がりを見ても、マーケットは倍々ゲームで伸びている」

 ニワンゴのポータルサーバに広告配信エンジンを組み合わせて、ユーザーに最適な広告を提供しようというのが同社の考えるモデルだ。ただし、ここには重要な疑問もある。

次ページ:広告メールとは、迷惑メールではないのか?

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年