11月22日と23日の2日間、中国・上海のウェスティンホテル上海で「Nokia Mobile Application Summit Shanghai」が開催された。主催はForum Nokia Pro。講演会では中国のコンテンツプロバイダー、端末メーカーなどが、中国のモバイルの現状や今後の展開などを説明した。
IBMのPC部門を買収したLenovoの携帯事業部門、Lenovo Mobileのポール・シェン氏は、同社の最新モデルであるS60を搭載したスマートフォン「P930」の紹介するとともに、S60プラットフォームの優位性をアピールした。
同氏はまず、Lenovoブランドが中国でブランド力No.1となり、販売シェアも中国メーカーとしては上位に位置するトップグループメーカーとなったと説明。同社には4つの研究開発センターがあるが、うち2カ所でスマートフォンの開発を行うなど今後はスマートフォンに注力する戦略を明かした。OS/プラットフォームはMicrosoftのWindows Mobile for PocketPCや、S60を採用すると説明した。
同氏はS60プラットフォームには、Nokiaなど大手メーカーが採用することで、多数のアプリケーションが開発されるメリットや、エンタープライズからエンタテインメントまで幅広いニーズをカバーできる優位性があるとアピール。11月に発売したばかりのP930は、S60プラットフォーム搭載機としては世界初の手書き入力対応端末で、S60の使いやすさがさらに向上するとうたった。
Digital-Red Mobile SoftwareのCEO、ウ・ガン氏は中国のモバイルゲームポータルサイト「game-v」の成功事例を説明した。同社はスマートフォンやPDA向けのゲームを開発しているが、エンタテインメント関連のメディアを展開する盛大/Shandaグループ傘下に入ってから事業を拡大。game-vは中国でも最大規模のモバイル向けゲームポータルサイトへと成長している。
同氏はgame-v成功の理由を「使いやすさ」「利用者の要求への迅速な対応」などにあると説明。中国全国で容易に購入できる「盛大ポイントカード」や、銀行のキャッシュカードからゲームを買えるようにするなど、オンライン決済がまだ一般化されていない中国で手軽に購入できるようにしたことが大きかったとした。また人気のあるゲームを常にリストアップするなど、ユーザーを飽きさせない努力も必要で、ゲームの数で勝負するのではなく質を上げることが重要だと話した。
会場では、発売前の新機種がいくつか参考出展されていた。このうち「Nokia 6270」(6月13日の記事参照)はQVGA液晶を搭載したスライドスタイルのGSM端末。プラットフォームにはNokia Series40を採用した、エントリー層向けのハイスペック端末となる。同社のW-CDMA端末「Nokia 6280」のGSMバージョンで、中国では6280よりも先に6270が発売される予定とのこと。
またビジネス向けのW-CDMA端末「Nokia E61」(10月13日の記事参照)は会場でも多くの注目を浴びていた。
主催者インタビュー |
Nokia Mobile Application Summit開催の意義や、今後のNokia端末の動向などをForum Nokia日本代表、ビジネス開発部長の遠藤元宏氏に聞いた。 ITmedia 今回開催されたNokia Mobile Application Summitの意義を教えてください。 遠藤 今回は中国大陸で初めて開催するNokia Mobile Application Summitとなります。これまでアジアで開催したサミットは、シンガポール、香港、どちらもアジアパシフィック地域全体としての開催でした。 しかし北アジアに属する日本、韓国、中国は他国よりもモバイルビジネス環境の動きが早いこともあり、この3カ国はアジア全体とは切り離し、各国ごとにより重点を置いて活動することとしました。特に中国はこれからモバイルビジネスが大きく伸びていくことが予想されるため、Forum Nokiaとしても開発者やコンテンツプロバイダー、通信事業者それぞれへのサポートをより強化していく予定です。 ITmedia 中国の3G開始時期はどう見ますか。 遠藤 中国の3G開始時期はまだ不透明ですが、大きく注目しています。当社としても来年以降に発売する端末の多くが3G対応のW-CDMAか、2GベースのEDGE対応となり、高速なデータ通信に対応したものが中心となります。S60ベースの端末ラインアップを拡充することで、よりリッチなアプリケーションに対応できるため、開発者をサポートするForum Nokiaの活動もより活発化させる予定です。 ITmedia 日本でもEseries(11月17日の記事参照)など、エンタープライズ向け端末ベンダーとしてのNokiaに対する期待が高まっています。今後の日本での事業展開についてはどう考えますか。 遠藤 日本での事業は通信事業者と密接な関係を保ちながら、事業展開を検討しています。また当社の端末やForum Nokiaの活動をより知っていただくためにも、例えば12月8日に六本木ヒルズにて「Nokia Business&Techinical Day」を開催する予定です。当社の今後のプラットフォーム展開や、最新端末の展示、アプリケーションのデモなどを行う予定です。多数の方に参加していただきたいと考えています。 |
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