一挙4機種を投入──日本HP、iPAQ Pocket PCの新モデル

» 2005年12月01日 12時16分 公開
[ITmedia]

 日本HPは、iPAQ Pocket PCの新モデル4機種を発表した。12月1日に「rx1950」と「hx2190」を、12月下旬に「hx2490」と「hx2790」を発売する。HP Directplusの価格はrx1950が2万9820円、hx2190が3万6540円、hx2490が4万9980円、hx2790が6万4890円。

 全機種に、8月に発表されたPDA向けソフトウェアの最新版となる「Windows Mobile 5.0 for Pocket PC」を搭載。4製品中3モデルがIEEE 802.11bの無線LANに対応し、3モデルがBluetoothに対応する。

iPAQ Pocket PCの新モデル。左からrx1950、hx2190/hx2490、hx2790。hx2190とhx2490は、筐体は同じで機能が異なる
  • 主なスペック
rx1950hx2190hx2490hx2790
サイズ71×13.5×114ミリ76×16×119ミリ
重さ約125グラム約164グラム
プロセッサSamsung SC32442/300MHzIntel PXA270/320MHzIntel PXA270/520MHzIntel PXA270/624MHz
RAM32Mバイト64Mバイト
ROM64Mバイト128Mバイト192Mバイト
無線LAN×
Bluetooth(v1.2)×
指紋認証×××
バッテリー容量1100mAh920mAh1440mAh1440mAh
カードスロットSDIOCF/SDIO
ディスプレイ6万5536色の3.5インチ半透過型TFT
ディスプレイ解像度240×320

 ソニーがCLIEから撤退するなど、日本ではPDAの市場規模が縮小傾向にあるという見方が一般的だが、日本HP モバイルビジネス本部の山上正彦プロダクトマネージャーは「この2年間、iPAQ Pocket PCの出荷は伸びている」と話す。「iPAQはラインアップが豊富で、必要なものを選びやすい。価格帯からも機能からも選べる」(山上氏)。その言葉通り、新製品発表以降2006年3月までは8製品をラインアップするなど、他メーカーを圧倒する品揃えを誇る。

「rx3715」は年内に終了の見込みで、これを除く8製品のラインアップとなる

 法人向け需要の伸びも、出荷拡大に貢献している。「最近の出荷比率は法人向けが8割で個人が2割とほとんどがビジネス向け。機能が向上して製品単価が下がったため、企業が導入しやすくなった」(同)

 また海外で通信機能を内蔵したiPAQ Pocket PC「HP iPAQ hw6500 Mobile Messenger series」をリリースしたことを受けて、日本でも通信機能内蔵モデルの可能性について検討を始めたという。「2007年に向けて出せたら……と思っているが、まだ社内で調査および検討を始めたばかりの段階であり、具体的なことは何も決まっていない」

ローエンドモデルながら無線LAN内蔵──「rx1950」

 rx1950は、小型軽量なボディに無線LAN機能を装備したPDA。ボディデザインは丸みを帯びたシンプルな形で人気を博した「h4100」(2004年1月29日の記事参照)シリーズの流れを汲んでいる。

 起動時にはよく使う機能に簡単にアクセスできるランチャー画面が起動。右端のボタンには無線LAN機能が割り当てられ、ワンプッシュでアクセスできる。バッテリーは着脱式で、充電台には予備バッテリーを充電できる機構を搭載した。

 「これまでの無線LAN内蔵モデルで一番安価な『rx3115』(3万9900円、HP Directplus価格)より1万円安く、購入しやすい」(山上氏)

rx1950のランチャー画面

無線LANの有無で選べる「hx2190」「hx2490」

 「hx2190」と「hx2490」は、同じ筐体の中に異なる機能を積んだPDA。両者の主な違いは無線LAN機能の有無とバッテリー容量、プロセッサの性能。無線LAN機能を備えるhx2490は1440mAhの着脱式バッテリーを内蔵しており、hx2190は920mAhの着脱式バッテリーとなる。プロセッサはhx2490がIntel PXA270/520MHz、hx2190はPXA270/320MHz。

いずれもSDカードとType II CFカードスロットを装備

 いずれもBluetooth v1.2に対応し、17のプロファイルを搭載。音楽の転送を可能にする「Advanced Audio Distribution Profile」(A2DP)やオーディオ機器コントロール用プロファイル「Audio/Video Remote Control Profile」(AVRCP)といったAVプロファイルが搭載され、対応するヘッドフォンを使えばワイヤレスで音楽を楽しめる。

 なお、いずれのモデルもセキュリティアプリケーションの「HP ProtectTool」を搭載している。

  • 搭載プロファイル一覧
Generic Access Profile Personal Area Networking Profile(PAN,IPv4)
Serial Port Profile Basic Printing Profile
Service Discovery Application Profile Hard Copy Replacement Profile
Generic Object Exchange Profile Headset Profile
Dial-Up Networking Profile Human Interface Device
File Transfer Profile Advanced Audio Distribution Profile
Object Push Profile Audio/Video Remote Control Profile
LAN Access ProfileHands-Free Profile
Basic Imaging Profile


各種Bluetooth機器との接続設定は、Bluetoothマネージャの接続ウィザードを使って簡単に行える

指紋認証ユニットで強固なセキュリティ──「hx2790」

 指紋認証ユニットを装備したハイエンドモデルのhx2790は、現ラインアップの「hx2750」(1月13日の記事参照)の後継に位置付けられるPDA。プロセッサにはIntel PXA270/624MHzを採用し、無線LANとBluetooth v1.2を備える(Bluetoothのプロファイルはhx2190、hx2490と同じ)。

SDカードとType II CFカードスロットを搭載

 前モデルからメモリ容量も拡張され、192MバイトのFlash ROMはユーザーが130Mバイトを利用可能。64MバイトのSDRAMはユーザー領域が41Mバイトとなる。

 セキュリティアプリケーションの「HP ProtectTools」と指紋認証による強固なセキュリティが特徴。パスワード設定は4ケタの暗証番号や英数字パスワード、指紋に加え、これらを組み合わせて設定することも可能だ。

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