AV機器のリモコンにも使える──音楽携帯「P902i専用」Bluetoothユニットの可能性

» 2005年12月05日 23時02分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 12月6日から店頭に並ぶBluetooth搭載の「P902i」(「P902i」記事一覧参照)は、A2DP(Advanced Audio Distribution Profile)とAVRCP(Audio/Video Remote Control Profile)の2つのプロファイルを搭載した点がこれまでのBluetooth携帯電話と大きく異なる。同じプロファイルを持つヘッドフォンなどのAV周辺機器と接続することで、端末をポケットに入れたままワイヤレスで音楽を聴いたり音楽周りの各種機能を操作できるため、対応するBluetoothユニットの登場が待たれていた。

 サードパーティ製品として、いち早く対応に名乗りを上げたのがモバイルキャスト(12月1日の記事参照)。都内で開催した「mLink R for P902i」テレビCM披露の場で、同社社長の赤池英二氏は、「12月9日をめどに発売する」とアナウンスした。

 12月9日からは、globeのメンバーとして知られるマーク・パンサー氏を起用したテレビCMも流すと赤池社長。テレビCMでは機能を並べてアピールするのではなく、「(ワイヤレスで快適に)音楽を聴いているときにも、大切な人からの電話を逃さないという利用イメージを表現した」と話す。

P902iのボディカラーに合わせた3色をラインアップする「mLink R for P902i」。市場予想価格は9800円前後。Bluetoothはv.1.2準拠でHSP、HFP、A2DP、AVRCPの4つのプロファイルを搭載


製品を披露するモバイルキャストの赤池英二社長(左)と、CMキャラクターに選ばれたマーク・パンサー氏(右)。「時代の先端を行く商品のCMに出られてうれしい」(マーク・パンサー氏)。「P902i」には、globeの新曲「Soldier」の着モーションが入るなど、何かと縁が深い


 Bluetoothユニット自体は手のひらの中に収まるコンパクトサイズで重さは約24グラム。クリップ状になっており、服などにとめて使える。一般的な3.5ミリのステレオジャックを装備しており、手持ちのヘッドフォンやAV機器と接続して利用可能。プレイ/一時停止ボタン、ボリューム調整ボタン、前後曲へのスキップボタン、マイクも備える

家に帰ればP902iがインテリジェントリモコンに

 P902iとmLink R for P902iを組み合わせることで便利なのは、P902iをカバンやポケットに入れたまま、ワイヤレスで手元のmLink R for P902iで音楽機能を操作したり、同機器に接続したヘッドフォンで音楽を聴くことができる点。着信があると、音楽が着信音に切り替わると同時にmLink R for P902iの透明な発話/終話ボタンが青く光って知らせる。このボタンを押せばワイヤレスで通話でき、もう1度ボタンを押すと通話を終了できる。通話が終わると同時に停止した場所から音楽が再開されるので、P902iを取り出して操作する必要がない。

 もう1つの使い方として赤池氏が提案するのが、オーディオ機器と接続して、P902iを音楽プレイヤー+リモコンとして使う方法だ。「家や車のスピーカーにmLink R for P902iをつなげば、P902i内の音楽をスピーカーから流せる。自分がスピーカーから離れたベッドやソファーにいても手元のP902iで音楽機能を操作できる」(赤池氏)

スピーカーのヘッドフォン入力端子を使ってmLink R for P902iと接続したところ。これでP902i内の音楽をスピーカーから出力でき、スピーカーから離れたところからでもP902iを使って音楽関係の各種機能を操作できる

 「パナソニック モバイルコミュニケーションズと接続検証を行ったため、無線レベルでの整合性も取れている。まさにP902i専用」と、セールス&マーケティンググループの中森健豪氏は自信を見せる。これまでテレマティクス分野の製品で知られていた同社だが、今後はコンシューマー向け製品にも注力する方針だ。「人に対してどのようにユビキタスな社会を提案できるかを探っていきたい。まずはmLink R for P902iで、人と携帯をつなぐ」(赤池社長)

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