FeliCaロック「クイック解除」のいいところ、イヤなところ「W32S」ロードテストNo.4

» 2005年12月13日 21時01分 公開
[神尾寿,ITmedia]

 W32Sが「モバイルSuicaの対応に交換修理1週間」と聞いて、けっこうショックを受けている神尾です。JR東日本のテストが厳しいとは聞いていたのですが、自分の手持ちの機種が“補欠合格”だと聞かされると、ユーザーにとってはイヤな気持ちです。D902iのように最新機種なのに不合格というものもあり、この点はメーカー各社とJR東日本が歩調を合わせて解決してほしい課題です。

 さて、今回は時間が経ってしまいましたが、W32SのFeliCaまわりのセキュリティについて紹介します。周知の通り、おサイフケータイには大きく2種類のセキュリティ機能が用意されています。

 1つが紛失時に端末に電話をかけて端末およびFeliCa機能をストップする「遠隔ロック」で、これは初期のおサイフケータイをのぞけば、ほぼすべての端末が対応しています。

 そしてもう1つが、端末側で一時的にFeliCa機能を停止するFeliCaロックで、こちらも今では標準的な機能です。現在、筆者はauのW32Sと、ドコモの「P902i」、そしてボーダフォンの「703SHf」を日常テスト端末として所有していますが、それらも含めて最新のおサイフケータイはすべてFeliCaロックに対応しています。

解除方法で差が出るW32S

 しかし、このFeliCaロック、はっきりいって何人の人が使っているのでしょうか。安全性のことを考えれば、FeliCaロックはFeliCaカードに対するおサイフケータイのアドバンテージであり、「使った方がいい」のは確実です。しかし、以前、吉岡記者が「P901iS」の長期レポートの最後に白状したように(8月19日の記事参照)、日常的に使うにはロックを解除する操作がイチイチ面倒です。

 ただ、W32SはFeliCaロックにちょっとした工夫があり、「クイック解除」というオプション設定があります。これは通常のFeliCaロック解除作業で必要な暗証番号の入力の代わりに、本体側面の機能ボタンを押すパターンを決めておき、その操作でFeliCaロックを一時的に解除するもの。これだと本体を開かなくてもFeliCaロックが解除できるので、スピーディな利用には便利です。

 クイック解除の設定は、FeliCaロック設定と同じカテゴリにあり、「機能設定」→「プライバシー」→「アクセス制限」で設定できます。機能ボタンの組み合わせも自由です。これはW32Hにはない、W32Sの独自機能となります。

クイック確認 for 「Edy」の意味がない!!

 しかし、クイック解除で使い勝手に配慮したW32SのFeliCaロックですが、欠点もあります。

 W32Sには標準で「クイック確認 for Edy」というアプリが用意されており、FeliCaボタンの長押しで呼び出す一発起動に設定されています。本体を閉じたままFeliCaボタンを長押しすると、背面液晶にEdyの残額が表示されるので、大変便利です。

 しかし、このアプリは、FeliCaロックをしていると、残高確認するたびにFeliCaロック解除を求められて、「全然クイックに確認できない」という状況になります。本体を開いてFeliCaロックを解除すれば残高確認できるのですが、これだと意味がありません(8月12日の記事参照)

 「クイック確認 for Edy」はEdyの残額確認をするだけなのですから、FeliCaロック中でも解除処理ナシで使えるようにしてくれるといいのですが。クイック解除やクイック確認など、W32SにはFeliCaを使いやすくする機能があるのですから、それらを組み合わせて便利に使えるようにしてほしいところです。

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ロードテストとは

 ITmediaのライターが、普段使いの携帯電話の模様をレポートする連載記事です。1人のユーザーとして、端末やコンテンツをレポートします。この端末の「○○を調べてほしい」「この点をメーカーに聞いてほしい」といった要望を、ぜひお寄せください。ロードテストの中で、できる限り調査し回答していきます。

読者のニーズが機種を決定

 なお、本ロードテストで使用する携帯機種は、読者の皆様のニーズに基づいて決定します。記事へのアクセス数の増減を目安とし、随時機種を変更していく予定です。

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