「次も“P”が欲しい」目指す「P902i」(3/3 ページ)

» 2005年12月16日 01時01分 公開
[房野麻子(聞き手:斎藤健二),ITmedia]
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ケーブルがあると電話に出にくい──Bluetooth対応オーディオ

 P902iで新たに搭載された機能が、Bluetoothの搭載と外部メモリカードへのコンテンツ移行。携帯電話で初めてオーディオプロファイル対応のBluetoothを搭載し、対応するオーディオレシーバーを使えば、携帯をカバンの中に入れたままワイヤレスで音楽を聴くことができる。

 「企画当初は、道交法の改正もあったので、クルマでBluetoothを利用するシーンを考えた。自動車メーカーでもBluetooth搭載という流れはできてきている。一方で、Bluetoothを使ってオーディオを進化させることで、パナソニックらしさを出せると考えた」(加宅田氏)

 携帯電話を音楽プレーヤーとして使う人は増えているが、専用機には及ばない。携帯電話でプレーヤーをもっと使ってもらうことを考えたときに、ケーブルがあると電話に出にくいという問題を解決するために、Bluetoothでワイヤレス対応することを考えたという。「クルマ以外でのBluetoothの使い方という面でも、P902iが1つの起爆剤になってくれるといいな、と思っている」(佐藤氏)

 全体的な機能のバランスを見ると、P902iがカメラよりもオーディオ機能を重視したのは明らかだ。連続再生時間も「P901iS」の約5時間から7時間程度までアップ。また、1GバイトのminiSDメモリカードに対応したのも、まずはオーディオを意識してのことだったという。半面、カメラは201万画素と平均レベルで、AFも未搭載だ。画質は決して悪くないが、オーディオに比べると地味な印象は否めない。

 「モデルによって優先順位が違って、今回は音楽の方のプライオリティが高い、ということ。AFに関しては、P902iは薄さにこだわったために未搭載になった。折りたたみ型と薄型化を両立させる中で、カメラのでっぱりをどうするかは常に課題となっている」(佐藤氏)

OMAP2の改善効果は約3割

 90xシリーズ共通の課題だったレスポンスの問題も、P902iではかなり改善された。

 「ドライバ周りのチューニングからアプリケーションまで、幅広くソフトウェアでの改善はやっている。ベースとなるプラットフォームのプロセッサもアップさせた。また、メニューなどをFlash化する際に、速度への影響を少なくする改善をしている」(加宅田氏)

 新たに採用された「OMAP2」の効果に関しては、次のように話す。「プロセッサの性能自体としては1.2倍くらい、トータルでは3割くらいの改善効果があったと見ている。そういった意味で、OMAP2の採用は大きかった。ただし、アプリケーションも進化しているので、同じ作りをしているとまた遅くなる。その点は引き続き改善していく」(加宅田氏)

 実際に触ってみると、UIでは506iシリーズに匹敵するほどのスピード感が感じられた。「ちゃんと計ってみると良いところと悪いとことがあるのだが、体感上はそう変わらないと思う。トータルバランスではP900iくらいの感じには仕上がったと思う」(加宅田氏)

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