まずデザインから決めた〜W41CAの開発プロセスカシオに聞く「W41CA」(デザイン篇)(2/2 ページ)

» 2006年02月06日 18時55分 公開
[杉浦正武,ITmedia]
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 W41CAは、側面のデザインにも気をつかっている。背面部と底面部が、完全にぴったりと重なるのでなく「Σ」のように“くびれ”がついている。これにより、指をそこにあてがったときに片手でも端末を開きやすい。

 「手に持ったときに、角ばったところが当たって痛くないかとか、開けやすいかとか、そういう細かいところにまで注意して端末を作っている」

内面のデザインは「A5512CAから継承したポリシー」

 ここまでW41CAの外面を見てきたが、W41CAは“内面”のデザインにもこだわっている。同社開発本部デザインセンター第四デザイン室の城聡子氏は、W41CAは「開けるたびに楽しめる、なごめる端末」だとアピールする。具体的には、開け閉めするたびに待受画面上で、内蔵キャラクターが異なるアクションを行う。そのバリエーションは、40種類におよぶという。

Photo (左)一度開くと、この画面(右)端末を閉じて、もう一度開いた。今度はペンギンがお手玉をしている

 城氏は、これまでの携帯の待受画面や内蔵アニメーションに疑問を感じていたと話す。「ディスプレイの表示色をアピールするために、やたらカラフルだったり、誰も嫌わないだろうと“お約束”の風景画を入れたり。デザイン端末だというと、とたんにエッジな素材になったり、女性向け端末というと極端にカワイイ方向に振れすぎたりする」

 W41CAでは、ユーザーに親近感を持ってもらえるような待受画面、妙に格好つけるのでなく「買った後に近い距離で見てもらえる」アニメーションを心がけた。同じカシオ計算機製「A5512CA」でも同様のアプローチをとっていたが、W41CAでは対象ユーザーをもう少し年上に想定し、大人っぽいテイストに仕上げた。

Photo こちらはA5512CA。ディスプレイを開けると「顔」が表示されるなどの工夫をこらした待受画面が用意されていた
Photo 待受画面一覧。独特のテイストとなっている
Photo メールの送受信時などに表示されるアニメーション。「メール受信中のちょっとした待ち時間も、楽しく画面を見ていられるようデザインした」

 「携帯の待受画面など、好きな壁紙をダウンロードしてカスタマイズするものだ、という考えもあるだろう。ただ(W41CAと同様のアプローチをとった)A5512CAでは、画面を変えずに満足して使っているユーザーの割合が高いというデータも出ている」(井戸氏)。カシオ計算機として提供するトータルの世界観が、ユーザーの満足度向上に役立っているのではとした。

薄さを実現するための工夫

 W41CAは、同時期に発表されたHDD搭載ケータイこと「W41T」やワンセグ対応ケータイ「W41H」のように、機能面で特別驚くような特徴がある端末ではない。その分、デザイン、機能、価格のバランスをとった「女性にも受け入れられる最強の普及機」(カシオ計算機)を目指している。

 もっとも、スペック上でアピールできるポイントもある。それは「回転2軸ヒンジ構造の折りたたみ端末としては、最薄」という点だ。もちろん、この薄さを実現するためには機構設計もこだわった。近日掲載予定の「カシオに聞く『W41CA』(機構設計篇)」では、そのあたりに焦点をあてていきたい。(続く)

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