次世代PHSの世界普及を目指して──PHS MoU総会開催

» 2006年03月02日 00時19分 公開
[江戸川,ITmedia]

 2006年2月28日から3日間、PHSの国際普及促進団体PHS MoU Groupの第19回総会が、福岡県福岡市で開催された。参加企業は国内外のPHS事業者、および製造業者など約40社。参加者数は約100名にのぼる。

 年に2回ほど開催される総会だが、今回は特に次世代PHSについての議論や、中国やその他の地域での普及報告が中心となっており、国内における今後のPHSの動向を占う上でも興味深い。3月1日に行われた、総会(General Meeting)のリポートをお届けする。

 会場は福岡ダイエーホークスの本拠地「ヤフードーム」の隣に位置する、JALリゾートシーホークホテル。世界各国から参加者が集まるだけあって、PHS MoU Groupの総会は英語で進行する。会場を見渡した限りでは日本人が圧倒的に多いように思えるが、PHSの事業会社にアジアの地域が多いことの証しでもある。

左から、副議長の若尾正義氏(ARIB)、議長の堀崎修宏氏(TTC)、副議長の木下龍一氏(ウィルコム)と同サム・エンディ氏(TeleCIS)
来賓として挨拶した総務省の桜井電波部長。高速、高品質というPHSの特長に触れながら、次世代PHSについても語る

ゲストスピーチで日本のPHS市場の現状を説明するウィルコムの八剱社長。他事業者のPHSサービス終了の影響はなさそうだ

 堀崎氏と事務局の杉浦正一氏の進行で、配付された資料の通り議題が1つずつ紹介される。前回の総会の報告、新メンバーの報告など済ませると、メインの議題であるアクティビティリポートの報告だ。これは各ワーキンググループが総会に至るまでにどのようなことを行ってきたか、それぞれのグループの議長または副議長が発表する。

 今回はテクニカルワーキンググループ(TWG)で取り上げてきた次世代PHSについて、新たに専門のグループを作って検討を進めていくことにしたという。こうしたことも会員の賛同を得ながら決めていくわけだ。

 総会は途中で2度の休憩を挟んで約2時間にもおよぶ。しかし、その中身はPHSが世界に根付いていくための大事な事項であり、まさに地道な努力の積み重ねの結果である。「全世界で1億ユーザーにまもなく届く」(堀崎氏)というのも、PHS MoU Groupの活動あればこそだ。

 すべての総会に参加しているという若尾氏によれば、「タイや台湾、中国でPHSがスタートした際の総会が強く印象に残っている」という。第19回総会は次のエポックメイキングのきっかけになっていきそうだ。

参加者に配られる「PHS Guidebook」。概略や技術紹介のほか、「データスコープ」(京セラ)などの懐かしい商品も掲載されている

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