サウンド・オブ・サンダー「電話がつながらない。家まで行こうよ」Mobile&Movie 第205回

» 2006年03月31日 19時28分 公開
[ITmedia]
作品名サウンド・オブ・サンダー(A SOUND OF THUNDER)
監督ピーター・ハイアムズ
制作年・製作国2005年アメリカ作品


 今回ご紹介する作品は、レイ・ブラッドベリ「太陽の黄金の林檎」が原作のSF映画。タイムトラベルが可能になった、西暦2055年という近未来が舞台です。今から約30年後に使われている携帯電話は、意外に現在とそれほど変わらないシンプルな形状のものでした。

 2055年のシカゴ。ついに独自のタイムマシンを完成させたタイムサファリ社は、タイムトラベルを超高額なツアーとして売り出しました。ただ時間を移動するだけでは物足りないと、白亜紀の恐竜のハンティングをセットしたツアーは大人気で、今では半年の予約待ち。タイムトラベルの原則は“過去を変えないこと”。いずれ死ぬ運命の恐竜を狙い、毎回同じ時間、同じ場所へのタイムトラベルを繰り返していました。ライヤー博士(エドワード・バーンズ)は、そのツアーに責任者として毎回同行し、ツアー客を見張り、恐竜を仕留めるタイミングなどを綿密に測っていました。タイムサファリ社のハットン社長(ベン・キングズレー)のあまりに露骨な金儲け主義には、閉口していましたが、ライヤー博士は、自分自身の絶滅動物研究のため、タイムトラベルを続けていました。

 そんなある日、タイムサファリ社に女性が乱入し

 「今すぐタイムトラベルを止めないと、取り返しのつかないことになる」

 と大声でハットン社長を批難。すぐに女性は追い返されましたが、ライヤー博士は気になり、後を追います。彼女の名は、ソニア・ランド博士(キャサリン・マコーマック)。タイムマシンを制御するスーパーコンピュータTAMIの開発者だったと言うのです。タイムマシンが完成した途端に、ハットン社長の策略で、プロジェクトから外されたランド博士。彼女は過去に干渉することは許されないと、タイムトラベルの危険性を訴えますが、ライヤー博士は予約の客を再びタイムトラベルに連れていくことに。

 その日の客はリッチな男性二人組。一人はお金を積んで順番待ちを飛び越えてやって来たため、期待度も大。もう一人は臆病で、ギリギリまでタイムマシンに乗るのを拒んでいた男。ライヤー博士がいつも通りの要領で、いつもの恐竜のもとへ導くと臆病な男は大騒ぎ。過去を変えてしまわないようにと男を取り押さえ、早々に切り上げて現代へ戻ってきました。トラブルは回避できたと全員が思っていましたが、実はあるものを男は持ち帰ってしまったのでした。

 そして、その夜から異変が起こります。11月なのに真夏のような気温になり、植物の成長が早まっていったのです。やがて電気まで止まり、次々に奇怪な現象が現われ始めます。ランド博士の指摘した通り、タイムトラベルが原因で異常気象が起きてしまったのか? ライヤー博士がツアーの記録を調べると、何と過去から戻る時に重量が1.3グラム増えていることがわかりました。あわてて、あの時の臆病な男に携帯電話で連絡をしますが、呼び出し音が鳴り続けるだけ。

 「電話がつながらない。家まで行こう」

 交通機関がマヒし、植物が群生する道路を抜けて、男の家までたどり着いた時、ライヤー博士が見たものとは! ランド博士の予知通り、6500万年分の進化が一気に押し寄せてくる地球で、人類は生き残れるのでしょうか?

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