モバHO!携帯「MUSIC PORTER X」を試す──音楽機能MUSIC PORTER Xレビュー(2)(2/2 ページ)

» 2006年04月06日 21時25分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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音楽再生時に電話がかかったら

 音楽再生機能は、モバHO!で録音したデータ以外にも、ATRAC3、ATRAC3plus、MP3フォーマットのセキュアな音楽データを再生可能。USBモード設定で「オーディオメモリモード」に切り替え、FOMAケーブルでPCと接続すると、内蔵メモリがマスストレージクラスのドライブとして認識され、PCから楽曲の転送や編集が可能になる。USB 1.1接続なので速度は相応だが、64K〜136Kbps程度のビットレートの楽曲ならアルバム1枚の転送にかかる時間は数分程度だ。

Photo USBモード設定では「通信モード」と「オーディオメモリモード」を切り替え可能。通常は「通信モード」で、「オーディオメモリモード」に切り替えたまま携帯電話として利用することはできない。そのためPCからの楽曲転送時のたびに設定を切り替えることになる。FOMAケーブルを接続すると、この画面に切り替わるくらいの機能はほしかった
Photo PCからの転送時にプレイリスト機能を活用することで、プレイリストをアルバムのように利用できる
Photo モバHO!を録音した番組と同じミュージックプレイヤーで再生。操作性もほとんど同じだ

 少々残念なのは、モバHO!で録音した音楽データとCDリッピングした音楽データは別々に管理されるため、混在した形での再生ができないことだ。プレーヤーソフト自体は共通であり、切り替えはサブメニューから行えるのでそれほど不便には感じないものの、惜しいと感じる部分だ。

 なお音楽再生を中断した場合は、次回起動時に中断した位置からの再開が可能。電話が着信すると呼び出しに切り替わり、通話が完了すると一時停止した状態で待機するので、決定キーを押せば音楽再生を再開できる。メール受信はモバHO!を聴いている場合とほぼ同じで、通知優先の場合は一時停止した状態で待機する。

USBケーブルとACアダプタを接続可能──別売りの充電台

 別売りの充電台は、なかなかよくできている。USBケーブルとACアダプタを接続するポートが用意され、乗せるだけで充電とPCからの楽曲転送を行える。もっとも楽曲を転送するには先にUSBモード設定で「オーディオメモリモード」に切り替えておく必要があり、この点は少々煩わしい。自動切り替え機能があれば、さらに便利に使えそうだ。

Photo 充電台は端末を載せると本体下部とクレードルがコネクタで接続され、充電台にスピーカーが接続されていると音声出力も自動で切り替わる
Photo オーディオ出力はステレオミニジャック、USBコネクタも汎用性のあるものだ

 さらにクレードルには音声出力を行うためのステレオミニジャックが装備され、外部スピーカーなどを接続できる。外部スピーカーが接続されている場合には、MUSIC PORTER Xを置くと出力先が自動で外部スピーカーに切り替わる。また充電台にはFMとモバHO!用の外部アンテナを接続することも可能だ。机の上に置いて音楽プレーヤーとして利用するなら購入を検討するのもいいだろう。

最新ヒットチャートを手軽に録音できる魅力

 初のモバHO!対応携帯となるMUSIC PORTER Xの魅力は、最新のヒット曲をいつでもどこでも、聴いたり録音できる点だろう。用意されるチャンネルも15チャンネルと豊富で、CDリッピングすることなく手軽に音楽を取り込めるのはなかなか便利だ。

 また、最初から1Gバイトメモリを内蔵しているので、1Gバイトの外部メモリを買い足すことなく、PCから多くの音楽データを取り込むことができる。

 モバHO!の楽曲データを個別に削除できない、PCから転送した音楽データとモバHO!データを混在できないなど、データの扱い上、少々融通が利かないところもあるが、Gパックチャンネルのラインアップに興味があるユーザーや、1Gバイトメモリにめいっぱい音楽を取り込みたいユーザーなら、購入の選択肢として検討する価値はあるだろう。

Gパックチャンネル一覧
チャンネル番号 チャンネル名 カテゴリー 概要
304 HMV Japan Countdown J pop カウントダウン シングルtop10、アルバムtop10
305 Oricon J pop カウントダウン シングルtop20、アルバムtop10
306 Oricon Artist Special J pop 特集アーティスト特集
307 J-STREET Street Street系アーティスト特集
308 Billboard Station 洋楽カウントダウン、特集 シングルtop100、アルバムtop200アーティスト特集
309 rockin'on ロック Rockin'on編集部選曲、雑誌連動企画
328 BLACK MUSIC STATION HipHop & R&B ソウル、レゲエ、R&B、HIPHOP
329 レゲエ レゲエ アーティスト特集
330 CLUB MIX クラブミュージック サイケデリック、トランス、ハードハウス、人気雑誌“men's egg”との連動企画
334 THE FEELING Crossover 坂本龍一、押尾コータロー、エンヤ他ケルティックや北欧の伝統音楽
351 KKJZ-Jazz&Blues Jazz ロサンゼルス発ジャズステーション
352 FM94/9 - Alternative Rock ロック オルタナティブロックのメッカ、サンディエゴのロック専門チャンネル
353 WPHI-R&B / HipHOP HipHop & R&B 東海岸人気HIPHOP専門局
355 WQXR-Classic クラシック ニューヨーク発、人気クラシック専門局。モーツァルト生誕250周年特集など
401 モバHO! 401 プロモチャンネル チャンネル紹介、ユーザーリクエスト

モバHO!を受信できない場所は

 MUSIC PORTER Xの購入を検討する際、大きなポイントとなるのがモバHO!の受信エリアだろう。屋外など衛星が見渡せるところでは、おおむね問題なく受信できたが、屋内などの電波が届きにくいところではどうなのだろう。

 モバHO!の衛星が見渡せない場所での受信エリアについて、ドコモは「再送信設備ギャップフィラー(2003年12月)からの放送電波が届くエリアが基本になる。ギャップフィラー設置エリア内でも地下鉄、地下街、トンネル、建物内の奥まった場所など放送電波が届かないところでは受信できない」としている。ギャップフィラーについては既に東京、名古屋、大阪、神戸圏については設置が開始されているが、具体的な設置場所については触れられていない。

 受信状態を試したところ、窓の近くなら屋内でも受信できる場所もあれば、ビル内でも路上でも受信できないITmedia編集部周辺のような場所もあった。また公開されている情報を見る限り、地上を走行する電車内などでは問題なく受信できるようだが、地下鉄の駅構内はギャップフィラーが設置されておらず、モバHO!を聴くことはできなかった。乗車中はともかく、駅のホームでの待ち時間にモバHO!を楽しめないのは少々残念なところ。東急田園都市線用賀駅、渋谷駅、半蔵門線の青山三丁目、銀座線の溜池山王駅の駅のホームおよび停車中の車両内で受信状況を確認したが、まったく受信できなかった。


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