ドコモユーザーが「日本無線のFOMA」を望む理由

» 2006年04月11日 21時44分 公開
[杉浦正武,ITmedia]

 携帯業界ではこのところ、各キャリアに次々と新規メーカーが加わっている。三洋電機がNTTドコモにFOMA端末を供給したほか、最近では韓LGが「SIMPURE」シリーズ向けに端末を開発(4月10日の記事参照)。auもシャープ製端末が登場する見込みで(2005年12月21日の記事参照)、ユーザーの選択肢は広がる傾向にある。だがドコモユーザーに聞いてみると、意外なメーカーの復活を望む声もある。

 そのメーカーとは、「日本無線」。かつてドコモに端末供給していたメーカーだが、最近ではウィルコムのPHS端末を開発するだけで、携帯は手がけていない。しかし先日ITmediaが実施したアンケート調査では(4月7日の記事参照)、複数のユーザーが日本無線に言及している。

 その内容は、どれも同じ。以下が代表的な例だ。

 「日本無線の防水端末がFOMAで復活しないかと待っているんですが……」「日本無線にもういちど作ってもらいたい(R692の折りたたみ版みたいなの)」「GEOFREEを出した日本無線が復活することを期待(FOMA版GEOFREE端末は出ないのでしょうか)」「もう撤退したけど昔あったR692i、あれが好きだった。あのコンセプトをFOMAで出したら売れるかも?」

 最近の携帯しか知らないユーザーのために補足すると、日本無線の“GEOFREE”シリーズこと「R692i GEOFREEII」は(2002年7月29日の記事参照)、防水機能が特徴のPDC端末。JIS保護等級7相当の耐水機能を備え、水深1メートルに沈めても動作する性能を持っていた。ちなみにauの「G'zOne TYPE-R」も同じくJIS保護等級は7相当だ。

日本無線のR692i。一部のユーザーの間で、いまだに根強い人気を誇っているようだ

日本無線にも要望は寄せられているが……

カシオ計算機製「G'zOne TYPE-R」

 2005年にカシオ計算機がG'zOne TYPE-Rを“復活させた”とき(2005年5月26日の記事参照)、ITmediaにはユーザーから「4年待った」「4年待ちました。待望の機種です。」「4年待ったんだよ@452使い」など感激の声が寄せられた(6月2日の記事参照)。日本無線がドコモに再参入して、2002年以来となるGEOFREE端末を開発したとなれば“第2の復活物語”としてユーザーに受け入れられる可能性もある。

 実際に、この可能性はないのか? 日本無線に聞いてみると、「実はそういう声があるのは知っている」(日本無線広報部)との答え。

 「要望として、入ってくる。『いつ出るんだ』『(防水ケータイが)ないと困る』と問い合わせがきている状況だ。やはり耐水性能というのは特殊な要素なので、ニーズもあるのだろう」

 ただし、発売予定があるかというと「携帯事業については、今のところやる予定はない」。当分はPHS端末に専念するようだ。ドコモにも防水端末の可能性を聞いてみたが、ごく簡単に「あるともないとも言えない。全くの未定」というコメントが返ってくるだけだった。

 前出のアンケートで、ITmediaのある読者は「日本無線製端末を愛用しています」と話している。

 「待ち受け画面や着信音に凝っていたり、ミニ時計を採用したりと思わずニヤリとするような工夫があってなかなか楽しいです。……(中略)日立国際電気やデンソーなどの『味のある端末』が消えていったのが寂しい限りです」

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