韓国企業は目覚ましい勢いで米国市場に進出している。韓国の「ビッグ3」であるSamsung、LG、Pantechグループはもちろん、キャリアのSK Telecomも米国市場で積極的な動きを見せ始めている。市場規模が大きい一方、ライバルの大企業もひしめく米国で、韓国企業がどのように事業を展開しているのか探った。
米Walt Disney Companyは4月5日(現地時間)、「Disney Mobile」のサービス名で携帯事業に参入すると発表した(4月6日の記事参照)。サービスは6月から開始する予定だ。主要ターゲットは子どもやその家族で、携帯電話にも保護者が子どもを守れる機能を搭載する。
ここに最初に端末を提供するのが、韓国のLGとPantechグループだ。
Pantechグループからは「DM-P100」が販売される。コンパクトなデザインで、撮影補助用のLEDを装備した31万画素カメラを内蔵。スピーカーフォン機能を持つほか、JAVAとWAP 2.0に対応している。
LG電子の「DM-L2000」は、真っ赤な本体に銀色のディズニーロゴがついた「保護者や子どもが好むかわいらしいデザイン」(LG電子)。SMSの送信速度を高めるなど利便性を追求したほか、動画撮影も可能な1.3メガピクセルカメラやBluetoothを装備し、3Dゲームにも対応するなど、ディズニーのマルチメディアコンテンツが手軽に楽しめる仕様になっている。
Pantechグループはこのほかに、MVNOであるHelio用の端末「HERO」も発表している。HEROはCDMA2000 1x EV-DOに対応しており、2メガピクセルカメラ、MP3プレーヤー、ステレオスピーカー、2.2インチ液晶を搭載。外部メモリとしてMicro SDに対応するなど、マルチメディア機能を豊富に搭載する端末となっている。
米国市場におけるブランド確立をはかりたいPantechグループ。今年は米国への輸出量を昨年比20%以上に、キャリアへの直接納品率を70%にまで伸ばすことを当面の目標に設定している。
ちなみにHelioは、SK Telecomと米国の通信会社であるEarthLinkが2005年2月、計4億4000万ドルの50%ずつを出資する契約を結び設立したジョイントベンチャー「SK-EarthLink」のブランド名だ。2005年10月の「Helio」ブランド立ち上げと同時に、ジョイントベンチャーの名称も「Helio」に統一した。
Helioが主要な活躍の舞台として目指しているの、マルチメディアサービスの基盤となる3Gインターネットサービスだ。日本や韓国に比べ、米国市場ではデータサービスがあまり利用されていないが、3Gへの移行とともに、マルチメディアやデータ中心のサービスを展開し、現状を変えたいとしている。
2005年から準備を進めていたHelioが商用サービスを開始し、その全容が明らかになるのは今年上半期。2009年には330万の加入者と、24億ドルの年間売り上げを目指す。
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