アークラインでFOMAの人気端末の地位を築いたNECだが、その後は脱皮を図るべく模索を続けていた(関連記事その1、その2)。「N902iS」で打ち出したのは“進化したアークライン”とうたう独特のスタイルだ。
新デザインは「Link Face Design」と名づけられた。折りたたみを開いた状態で、横から見ると背面側(上ケース)と底面側(下ケース)が一直線のラインを描いている。またこのとき裏側から見ると、ヒンジ部が隠れてすっきりとスマートに見える。
カメラはN902iとは異なり、底面側に付いた。入れ替わりに底面にあったFeliCaチップが、背面に配置されている。カメラが底面側にきたことで、背面ディスプレイをファインダー代わりにして写真を撮るという操作が可能になった。具体的には側面にあるカメラキーの長押しでカメラを起動し、背面ディスプレイ横にあるアシストキーでシャッターを押して写真を撮る。NECはこれを「ダイレクト・ショット」機能と呼んでいる。
カメラ機能そのものも、特徴的な要素を備えている。N902iは携帯として初めて静止画手ブレ補正に対応した端末だったが(2005年11月25日の記事参照)、N902iSではさらに6軸の手ブレ補正に対応した。従来の2軸の手ブレ補正は上下左右の“平面的なブレ”にしか対応できなかったが、6軸手ブレは奥行き(前後)のブレや回転のブレにも対応できる。ちなみに、動画撮影時は2軸の手ブレ補正にしか対応しない。
音楽再生機能は、NEC製のiモード端末としては初めてSD-Audioに対応した。手持ちのCDから取り込んだ音楽ファイルに加え、PC向けオンラインミュージックストアで購入したSD-Audio形式の音楽ファイルの再生も可能だ。
今回、902iSシリーズは全機種が「着もじ」と呼ばれる新機能に対応している。これは電話を発信する際にメッセージを付けられるというものだが(5月11日の記事参照)、N902iSの場合はさらにこの受信メッセージがダイナミックに動く「3D着もじ」となっている。
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