作品名 | 五月の恋(五月之恋) |
監督 | シュー・シャオミン |
制作年・製作国 | 2004年台湾・中国合作 |
今回ご紹介する作品は、台湾の人気バンド“メイデイ”(五月天)が本人役で登場する『五月の恋』。メイデイのファンの女の子と、ファンサイトを管理している男の子の出会いをさわやかに描いています。
大学生のアレイ(チェン・ボーリン)は、メイデイのギタリスト・シートウの弟。ミュージシャンとして成功した兄に劣等感を持ち、つい反抗的な態度を取ってしまいます。それでも、大学の友達と一緒に、メイデイのファンサイトをアルバイトで運営していました。毎日届くたくさんのファンメールの中で、中国のハルピンに住む少女シュアン(リウ・イーフェイ)の純粋な文章に、アレイは惹きつけられます。思わずメイデイのボーカル・アシンのふりをして、返事を書いてしまうアレイ。こうして、アレイとシュアンはメール交換を始めます。
やがて、シュアンが中国から台湾にやって来ることになり、会ってほしいというメールが届きます。アシンのふりをしたまま、勢いでシュアンと会う約束をしてしまうアレイ。ファンサイトを運営する仲間たちは咎めますが、正体をばらす前にその日が来てしまいました。
待ち合わせ場所で、シュアンと思しき少女を見つけたアレイ。息の詰まる瞬間に、アレイの携帯電話が鳴り響きます。
「何だよ、後で行く」
ファンの女の子に会っていることを責める友人からでした。アレイは電話を切って、シュアンの後を追いかけようとします。
「わかった、今は話せない」
携帯を取っている間に、シュアンを見失ってしまうアレイ。すると、シュアンが背後から現われ
「携帯の番号、何番?」
と尋ねてきました。
「なんで?」
アレイは突然聞かれてしどろもどろ。
「言ってよ」
「092-207-1……」
「はっきり言って」
こうしてシュアンはアレンの携帯番号を聞きだし、台湾にいる間に3つの願いを叶えてと頼みます。シュアンは、アレイがアシンになりすまして返事を出していたことに気付き、その償いをしてほしいと言うのです。アレイはしぶしぶシュアンの願い、“メイデイのコンサートに行くこと”“アシンのサインをもらうこと”を聞いてあげることに。シュアンは、自分が中国のハルピンから京劇の公演で来ていることを打ち明け、“五月の雪という花が咲く台湾の町に行きたい”という最後の願いもアレイに伝えるのでした。
シュアンの祖父がかつて住んでいた土地に咲いていたという五月の雪。アレイとシュアンはその場所を探すため、力をあわせます。そうして一緒に過ごすうちに心の距離が縮まっていく2人。小さな嘘から始まった出会いも、固い絆で結ばれていくように。しかし、京劇の台湾公演で来ていたシュアンが、ハルピンに帰る日が近付いて……。シュアンは、五月の雪を見ることができたのでしょうか? そして、アレイとシュアンの小さな恋の行方は? メイデイの音楽で全編彩られた、五月の風のような青春映画です。
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