ソニエリの考える「シンプルな使いやすさ」とは――SO702i開発者インタビュー(1/3 ページ)

» 2006年05月25日 19時14分 公開
[吉岡綾乃,ITmedia]

 ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズとしては初めての70xi端末「SO702i」は、表も裏も着せ替えられる「デュアルスタイルパネル」が最大の特徴だ。

 “着せかえ”という分かりやすいコンセプトに加えて、SO702iのもう1つのテーマとなっているのが「シンプル&使いやすい」を、いかに実現するか、というもの。ソニエリが考えるシンプルで使いやすい携帯とはどういうもので、どのように開発されたのか――SO702iの開発陣に話を聞いた。

3色展開のSO702i。夏モデルの先頭を切って、5月26日より発売される
左上から時計回りに、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズJst部門ドコモ商品部プロジェクトマネージャーの千葉政幸氏、クリエイティブデザインセンター東京オフィスインダストリアルデザイナー竹井豊氏、クリエイティブデザインセンター東京オフィスデザインディレクター河合真木子氏、商品企画部商品企画課の上田さくら氏、Jst部門ドコモソフトウェア開発部長谷川里香氏

爪の長い女性でも押しやすいキー形状

 「シンプル」「使いやすい」をキーワードに開発したというSO702i。企画を担当した上田さくら氏によると、SO702iのポイントは“手に収まる小型感”“液晶の明るさ”“キーの押しやすさ”そして“両面着せかえ”の4つだという。

 まず1つ目は“手に収まる小型感”。75cc、103グラムというボディはFOMA 90x/70xシリーズで最小だ。加えて、角のない丸いデザインで、すっぽりと手になじみ、小さな手の人にも使いやすい。「パーツを効率よく配置するには箱形がやりやすいこともあり、最近は“シンプルで四角い”端末が増えている。でも四角いと、手に当たったりして、あまり使い心地は良くないだろうと考えた」(デザイナーの竹井豊氏)

 パーツ配置だけでなく、着せかえパネルを作るという観点から見ても、平面デザインのほうがやりやすいが、手になじむ形にするため、角を落とし、曲線を多用したデザインにしたという。

 “液晶の明るさ”と“キーの押しやすさ”は、ともに「使いやすい」につながるポイントだ。SO702iのメイン液晶の明るさは、平均400カンデラ。SO902iも同じ明るさの液晶を使っているが、SO902iより画面が広い(2.2インチ)こともあって、より明るく感じる。

 SO702iのキーは、円の上部をカットしたような珍しい形で、凸状に盛り上がった形状になっている。普及端末では、メールの打ちやすさが重要という見解から、ユーザーがどのようにキーを押すかをリサーチしているという。「SO702iのメインターゲットが若い女性ということもあり、長い爪でも押しやすいキーに仕上げた。キーの押し方は人によってさまざまだが、爪が長い女性は、指の横腹で押すことが多い。キーをふくらませ、1つ1つ独立させることで、そういう押し方の人にも打ちやすくなる」(上田氏)。

 押しやすいキーのアプローチとしては、最近はフレームレスでタイル状のキーを採用した端末が増えているが、「フレームレスのキーはすき間がないため、押し間違いそう」という声も多かったという。

photo 横から見ると、盛り上がっていることがよく分かるキー形状。丸くした理由は「デザイン的に四角(いキー)は合わないだろうと思ったから」(千葉政幸氏)
photo 実際に付け爪を付けてメールを打ってもらったところ。指の横腹で打っているのが分かるだろうか。つけ爪の場合は特に、爪の先端で押すとはがれてしまうため、爪の先で押さない女性も意外と多いという
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