内蔵メモリは増えたのか？──「N902iX HIGH-SPEED」：夏モデルの“ここ”が知りたい「N902iX HIGH-SPEED」編（1）

[園部修，ITmedia]

　ドコモ初のHSDPA対応端末「N902iX HIGH-SPEED」は、これまであまり情報が開示されないまま8月31日の発売日を迎えたため、いまだに謎の多い端末だ。すでに実機を入手しているユーザーもいるだろうが、改めて読者から寄せられた質問に答えていきたい。

質問：内蔵メモリはどれくらい増えているのか

　下り最大3.6Mbpsの高速通信が可能で、iモーションも最大5Mバイトに拡張されたほか、着うたフルにも対応するN902iX HIGH-SPEED。大容量のコンテンツが簡単にダウンロードできるようになった本機だけに、内蔵メモリにどれくらいのデータが保存できるのかは気になるところだ。着うたフルが最大200曲保存できる400Mバイトのメモリが確保されていることは製品情報サイトなどで明らかにされているが、改めて内蔵メモリの容量を調べてみた。

　結論から言うと、内蔵メモリ容量は大幅に増えている。N902iX HIGH-SPEEDと「N902iS」、「P902iS」のメモリ容量を表にしてみたので比較してみてほしい。

機種名	N902iX HIGH-SPEED	N902iS	P902iS
写真	3600Kバイト（約3.5Mバイト）	3600Kバイト（約3.5Mバイト）	2800Kバイト（約2.7Mバイト）
ミュージック	40万9600Kバイト（約400Mバイト）	−	2万5600Kバイト（約24Mバイト）
iモーション	1万5360Kバイト（約15Mバイト）	3375Kバイト（約3.3Mバイト）	3379Kバイト（約3.3Mバイト）
メロディ	2000Kバイト（約2Mバイト）	2000Kバイト（約2Mバイト）	2000Kバイト（約2Mバイト）
キャラ電	1000Kバイト（約1Mバイト）	1000Kバイト（約1Mバイト）	1000Kバイト（約1Mバイト）
マイドキュメント	4300Kバイト（約4.2Mバイト）	4300Kバイト（約4.2Mバイト）	4100Kバイト（約4Mバイト）
iアプリ	5220Kバイト（約5.1Mバイト）	5220Kバイト（約5.1Mバイト）	5250Kバイト（約5.1Mバイト）

　注目したいのはミュージックフォルダの容量だ。ドコモ初の着うたフル対応機P902iSは、着うたフル用に約24Mバイトのメモリが用意されていたが、N902iX HIGH-SPEEDではこれが約400Mバイトと大幅に増えている。着うたフルが1曲約2Mバイト前後として大まかに計算すると約200曲、2.5Mバイト前後でも約160曲保存できることになる。これなら容量不足に悩むことも減りそうだ。

　iモーションの保存容量も約15MバイトとP902iSの約5倍弱に増えている。着うたや着モーションなども従来より格段に多く保存できるので、miniSDカードがなくても端末の機能を十分活用できる。ちなみに外部メモリのminiSDカードは、最大2Gバイトのものが利用可能で、miniSDカードへの移動が許可されている着うたや着うたフル、着モーションデータはminiSDに保存しておくこともできる。

ミュージックフォルダの容量は約400Mバイトある。最大200曲のデータが保存可能だ。iモーションの保存領域も約15Mバイトに拡張されている

質問：着うたフルを着信音に設定できるか

　先に発売されたP902iSでは、着うたフルをそのまま着信音に設定することができなかった。あらかじめ着うたフルデータに設定されている「おすすめ」部分を切り出して、iモーション（着うた）として保存したものを着信音にすることはできる。しかしこれだと例えば曲のイントロの部分やサビの部分など、特定の場所しか着信音として利用できない。N902iX HIGH-SPEEDでは「まるごと設定」を選べば着うたフルを曲の頭から着信音として鳴らすことができる。

　ただし、楽曲データによっては着うたフルをそのまま着信音に設定できないようにしているものもあり、すべての着うたフルを着信音として利用できるわけではない。N902iX HIGH-SPEEDにプリインストールされているSTARSHIPは「まるごと設定」と「オススメ設定」が両方選べたが、楽曲によってはまるごと設定がグレーアウトしていて選べず、「オススメ設定」しかできないものもあった。

着うたフルをそのまま着信音に設定することも可能だ。ただし楽曲データの「まるごと着信音設定」が「可」になっていなくてはならず、非対応の楽曲も多い。プリインストールのSTARSHIPはまるごと設定に対応している

質問：着うたフルとSD-Audioが混在したプレイリストは作れるか

　N902iX HIGH-SPEEDのミュージックプレーヤーは、PCで取り込みminiSDカードに転送したSD-Audioと着うたフル、着うたの再生が可能だ。プレイリスト再生にも対応しており、あらかじめ用意されている「全曲リスト」に加えて20個のプレイリストが端末上で作成できる。楽曲データは端末に最大200曲まで保存しておけ、1件のプレイリストには99件まで楽曲が登録可能だ。

　プレイリストにはSD-Audioと着うたフルのデータを混在させられる（5月11日の記事参照）。もちろん着うたフルは内蔵メモリに保存されているものとminiSDカードに保存されているもののどちらも登録できる。登録方法は簡単で、データBOXから登録したい楽曲データを選んで「機能」メニューを開き、「プレイリストへ追加」を選べばいい。

プレイリストは着うたフルとSD-Audioのデータを混在させることが可能。並び順を自由に変えられ、特に制限はない

質問：端末を閉じたまま音楽再生ができるか

　N902iX HIGH-SPEEDには、背面に「ASSIST」キーが用意されており、端末を閉じていても待受状態でこのキーを長押しすれば、ミュージックプレーヤーを起動できる。基本的には前回再生を終了した楽曲を先頭から再生するが、前回再生時にプレイリストの最後まで再生していた場合はプレイリストの先頭の曲から再生を始める。またシャッフル再生していた場合は引き続きシャッフル再生になる。端末を閉じた状態で音楽を再生すると、サブディスプレイに曲名、アーティスト名、再生状態、音量、再生モードなどが表示される。

　再生中にASSISTキーを押すと一時停止、長押しすると再生を終了する。［MEMO］キーと［HOME］キーでボリュームの調整も可能だ。残念ながら閉じたまま早送り／早戻し操作をするキーはないものの、曲送り／曲戻しは［MEMO］キーと［HOME］キーの長押しでできる。付属のイヤフォン（試供品）はボタン類がないのでできないが、別売りの「平型ステレオイヤホンセット」や「スイッチ付イヤホンマイク」を接続すれば、スイッチ操作による曲送りと曲戻しも可能になる。

※初出時に「曲送り／曲戻しや早送り／早戻し操作をするキーはない」と記載していましたが、誤りでした。お詫びして訂正します。

　ただしマナーモードに設定している場合は、ステレオイヤフォンを接続していないとASSISTキーを長押ししてもミュージックプレーヤーは起動しない。

端末を閉じた状態でも、待受中にASSISTキーを長押しするとミュージックプレーヤーを起動できる。曲送りや曲戻しなどの操作は側面の［MEMO］キーと［HOME］キーの長押しでできるほか、一時停止や終了、ボリューム調整など最低限の機能はある