903iで「攻めるドコモになる」――夏野氏 (1/2 ページ)

» 2006年10月13日 06時05分 公開
[吉岡綾乃,ITmedia]

 10月13日、NTTドコモは、903iシリーズ6モデルとHSDPA対応機2モデル、ワンセグ対応機3モデル、SIMPURE 2モデル、企業向け無線LAN対応端末の計14機種を発表した(10月13日の記事参照)。発表会に登場したのは、夏野剛氏ただ1人。新端末・新サービスについてのプレゼンテーション、記者とのQ&Aまで1人で行っていた。

 今回の903iシリーズについて夏野氏は「903iで“攻めるドコモ”になる」と自信を語った。ドコモはMNPで守りに入ると見られているが、端末ラインナップでも、サービスでも、実際には“攻めている”という意図だ。「他社(の携帯)に入っている機能は、“競争力的にどうかな?”と思うようなものまで全て入れた。(903iシリーズは)どこから見ても最強のFOMAだ」(夏野氏)

NTTドコモの夏野剛氏。「503iシリーズ以降、こうして(端末を)発表するのは7回目になるが、今回の903iは今まで一番自信がある」

各種新サービスは意外に利用率が高い?

 903iシリーズの紹介に入る前に、夏野氏はまず、現在ドコモが提供する各種サービスについての最新のデータを示した。

 現在、ドコモの携帯契約数は約5210万契約(8月の契約者数、10月6日の記事参照)。このうち約2909万契約がFOMAで、ムーバを逆転。ドコモユーザーの半数以上がFOMAを持っている計算だ(9月末現在の数字)。

 4月から始まった「iD」(2005年11月8日の記事参照)が使えるリーダー/ライターは、9月末現在約6万台が設置されている。今年度中に導入が決定している台数は約34万台。また、ドコモがイシュア(カード発行会社)となるクレジットサービス「DCMX」(4月4日の記事参照)は10月11日現在、約86万契約に達しているという。

 また、携帯ゲーム市場についても、順調に成長しており、大きな市場になっていると説明する。現在、ゲームジャンルの登録ユーザーは去年より180万人増加の約1300万人、ゲームジャンルのiモード情報料の総計は年間約400億円、iアプリゲームは約5000本あるという。

 また、若年齢層に支持されているサービスとしてもう1つ挙げたのがデコメールだ。デコメールの月間送信数は現在約1億560通(8月の数字)。デコメール対応機種を持つ10代女性ユーザーの約7割が利用している、とする。

 このほか、iチャネルの契約数が約590万で対応機種の約5割の契約率であること、プッシュトークの契約数が約800万で、対応端末ユーザーのうち、月に1回以上使うユーザーの割合が約8%であること、HSDPA端末向けにサービスを開始した「ミュージックチャネル」の契約数が約1万3400あり、対応機種の3割を超えていること、着うたフルの利用率が約36.3%で、ユーザー1人当たりの平均ダウンロード数が4.4曲であることなどを明らかにした。

photo
photo

“Entertainment”は音楽&ゲーム、ワンセグ対応機種も

 夏野氏は903iシリーズの特徴について、「エンターテインメント」「ライフキット」「コミュニケーション」が3本の柱であると説明した。

 エンターテインメントの中心機能は、音楽とゲームだ。903i/903iX/903iTVの計11機種は全て着うたフルに、903iXの2機種はミュージックチャネルと最大10Mバイトの大容量iモーションに対応している。またD903i、F903i、SH903i、D903iTV、F903iX HIGH-SPEEDの5機種はWMA(Windows Media Audio)に対応。定額制音楽配信サービス「Napster」でダウンロードした楽曲をPCから転送できる。

 また、すでに発表済みのメガiアプリ/メガゲームには、903i/903iX/903iTVの計11機種は全て対応。プログラム領域・データ保存領域が共に容量アップしたことに加え、CPUやグラフィック性能が向上し、処理能力もアップしたため、これまでよりもリッチなゲームが楽しめるようになったことをアピールした。「ゲーム専用機はゲームをしていることが分かってしまいますが、携帯だとゲームをしていても分からない。会議中にも携帯ならゲームができます。私はやっていますよ」と笑いを誘った。夏野氏は会議中、よほど暇をもてあましているようだ(2003年4月11日の記事参照)

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年