16ブロック「そのまま家に帰れ、切るぞ」Mobile&Movie 第234回

» 2006年11月10日 22時25分 公開
[本田亜友子,ITmedia]
作品名16ブロック(16Blocks)
監督リチャード・ドナー
制作年・製作国2006年アメリカ作品


 今回ご紹介するのは、『ダイ・ハード』の運の悪い刑事役でおなじみブルース・ウィリス主演の『16ブロック』。主人公は人嫌いでくたびれた風貌の刑事。携帯電話も持っておらず、人の携帯電話を借りてピンチを切り抜けます。

 ニョーヨーク市警のジャック(ブルース・ウィリス)は、エリートコースを外れた落ちぶれた刑事。回ってくる仕事は留守番や見張りなどで、完全に第一線から退いていました。仕事の合間にも酒を飲むほどのやる気のなさ。

 夜勤を終えたある朝、仕事を終えて自宅に戻ろうとした時、ジャックは上司に呼び止められます。ジャックは勤務時間は終わったと帰ろうとしますが、上司は強く命令してきました。それは、裁判所に証人を送り届けるという任務。その裁判所までの距離は、わずか16ブロックと聞き、ジャックは渋々引き受けます。

 証人はエディ(モス・デフ)という男。顔を合わせた時から、機関銃のように喋り続ける男で、人嫌いのジャックはうんざり。エディの問いかけに答えず、しかめつらを貫きます。“ケーキ屋になりたい”という自分の夢まで話し続けるエディを黙って車に乗せて、警察署から出たジャックは裁判所に向かい始めます。

 しかし、仕事終わりで飲むつもりだった酒が欲しくなり、酒屋へ寄ることに。わずか16ブロック送るだけだから、少しくらい寄り道してもいいだろうと思ったのです。エディをひとり車に残し、店へ入っていったジャック。休息を楽しんだのもつかの間、見知らぬ男が車からエディを引き摺り出そうとしていたのです。慌てて、店の外に飛び出すジャック。男に拳銃を向けられ、ジャックも久しぶりに引き金を引いたのでした。

 ただ裁判所に証人を送るだけ、と思っていたジャック。エディに証言をさせたくない誰かが、妨害をしていることは明らか。車をおいて裁判所へ走り出すジャックとエディは、別の男たちにも追われ、ビルの中に逃げ込みます。そこで出くわしたのが、ジャックの元同僚。ジャックに邪魔をするなと言ってきたのです。

 「お前が目をつぶっていれば、後は何とかなる」

 その言葉にジャックは迷います。すると、元同僚の携帯電話が鳴り出します。代わりに電話を取るジャック。

 「そのまま家に帰れ、切るぞ」

 電話の相手は、ジャックの元相棒のフランク。どうやら警察の内部がこの証人に関わっているよう。ジャックは頼れる仲間もいないまま、“生き方を変えたい”というエディを守るため、立ち上がります。携帯電話を持ち出し、裁判所までの裏ルートをひた走るジャックとエディ。しかし、警察を敵に回してしまい、ジャックはどんどん追い詰められていきます。

 法廷の開始時間に間に合わなければ、エディの証言は採用されません。携帯電話で裁判所に連絡して救いを求めますが、果たしてジャックは時間までにエディを送り届けることができるのでしょうか? 16ブロックの移動距離がリアルタイムで描かれ、臨場感を与えています。

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