第5回 各社のプラン変更時の違いとドコモのプラン変更節約法ケータイ料金節約講座(1/2 ページ)

» 2006年12月15日 11時04分 公開
[三上洋,ITmedia]

 ケータイの料金プラン変更なんて、どこでも同じだと思っている人が多いだろう。しかしプラン変更の制度は、NTTドコモとそれ以外のキャリアでは大きな違いがあることをご存じだろうか。各社のプラン変更制度の違いを知っておくと、料金の節約につながるので覚えておこう。

料金プラン変更はその場から変更できるドコモが一歩リード!

各社の料金プラン変更制度と無料繰り越し
条件 ドコモ au 旧ボーダフォン(バリューパックなど) ソフトバンク(オレンジプラン/ブループラン)
プラン変更の適用時期 申し込み当日から適用 ※1 翌月 ※2 翌月 翌月
月の途中でのプラン変更 できる できない できない できない
プラン変更の回数 1カ月に2回まで ※3 1カ月1回まで 1カ月1回まで 1カ月1回まで
プラン変更時に余っている無料通話は? 繰り越し可能 ※4 繰り越し可能 ※5 消滅する 繰り越し可能
繰り越し対象の無料通話 基本プラン/パケットパック 基本プランのみ 基本プランのみ 基本プランのみ
※1 プラン変更を申し込んだ直後から新しいプランの通話料が適用される。また基本料と無料通信分は、前日までが以前の料金プラン、当日から新しい料金プランとなり、日割り計算される。※2 パケット割引サービスは、割引サービスなしの状態から加入する場合に限り、申し込んだ月から適用(月末2日間を除く) ※3 3回以上の変更は1050円(税込み、以下同)の手数料がかかる ※4 FOMA←→ムーバの変更でも余っている無料通話を繰り越しできる ※5 「無限くりこし」の繰り越し可能上限額まで。新しいプランが適用された月は、変更前のプランの繰り越し上限額、その後は新しいプランの繰り越し上限額が適用される

 各社のプラン変更制度の特徴を表にまとめてみた。まず注目したいのは「プラン変更の適用時期」である。ドコモでは月の途中でプラン変更ができて、申し込んだその日から新しいプランが適用される(1カ月に2回まで無料でプラン変更が可能)。つまり変更したらその場から新しい料金プランになるのだ。

 それに対して、auとソフトバンクはリアルタイムの変更はできず、原則として翌月からの適用になってしまう。

 またプラン変更時に余っている無料通話の扱いにも違いがある。ドコモ、au、およびソフトバンクのブループラン/オレンジプランでは、余っている無料通話をプラン変更後に繰り越しできる。例えばAというプランで1000円分余っていれば、変更してBというプランにしても1000円分がそのまま持ち越せる。

 それに対してソフトバンクの旧ボーダフォン料金体系(バリューパックなど)では、プランを変更すると余っている無料通話は消滅してしまう。

 さらに、ドコモでは基本料金プランに付いている無料通話だけでなく、パケットパックの無料通信分も繰り越せる。他社ではパケット割引プランの無料通信分は繰り越しできないので、ドコモのほうが一歩進んでいるといえる。

無料通話を毎月余らせている人は損!

 無料通話の繰り越しは、連載第2回(9月20日の記事参照)で詳しく取り上げているが、プラン変更制度と合わせておさらいをしておこう。

 余った無料通話の繰り越しは、ユーザーに優しいサービスであることは間違いない。余った無料通話を後で使えるので、得をしたように感じる。しかし料金の節約を長期的に見ると、実は「繰り越し」と「料金がもっとも安くなる最適プラン」は相反するものなのだ。

 というのは、ほとんどの基本プランでは、無料通話を使い切ってちょっとオーバーしたあたりが、適正なプラン=もっとも安くなるプランになるからだ。無料通話分が余るということは、間違った基本プランを選んでいる目安となる。毎月無料通話が余るようなら、プランを変更(安いプランに下げる)したほうが長期的に見て料金は安くなるのである。その実例を見てみよう。

無料通話繰り越しは結果的に損をする!?

 上の図はドコモでの料金を比較したものだ。仮に、FOMAで(新)いちねん割引5年目、1カ月に150分通話、パケット利用なしの場合の支払額という設定で比較してみた。これは、ドコモが提供する料金シミュレーション「ぴったり料金プラン診断」を使った結果だ。

 なおドコモでは、基本料金プランを10円未満四捨五入で計算するが、ここでは支払い総額の比較であるため、消費税を入れて1円単位の数字となっている。

 左の「繰り越しが発生する人」は1カ月の料金が8263円で、3150円分の無料通話を繰り越している。それに対して右の「繰り越しがない人」の料金はわずか5890円。無料通話は余らないものの、支払い料金が2373円安くなっている。当然ながら、右の「繰り越しがない人」のほうが「料金がもっとも安くなる最適プラン」を選んでいるということだ。

 「無料通話が3000円分余るのだから、左の方がいいのでは?」と思う人もいるかもしれない。だが、余った3000円分はいつ使うかわからない。余り過ぎて「もったいないから使ってしまえ」となれば、節約とはいえない。それより現在の料金を安くし、利用する量を控えるほうが長期的に見て得なのである。

 ドコモの「2か月くりこし」、auの「無期限くりこし」などで繰り越しが貯まり過ぎるようなら、今より基本料金が安いプランに変更するほうが長期的に得だ。そのことを知った上で各社のプラン変更制度を見ると、ドコモとau、ソフトバンクのブループラン/オレンジプランが、旧ボーダーフォンの料金と比べて有利なことが分かる。プラン変更しても余っている無料通話を繰り越しできるので、無料通話を無駄なく消化できるからだ。

 またドコモであれば月の途中で変更できるため、電話を利用する機会が「増える」「減る」ときだけプランを変えるという技も使える。より適正なプラン=もっとも安くなるプランに、どんどん変えていけるのがドコモの特徴である。

 このプラン変更制度を活用した節約法「途中プラン変更節約法」を3つ紹介しよう。まずはドコモとau、およびソフトバンクのオレンジプラン/ブループラン向けの節約法で、余っている無料通話を無駄なく使う「繰り越し消化節約法」だ。

無料通話の繰り越し解消法

 上の図を見て欲しい。この例では12月に1000円分、1月にも1000円分の無料通話が余っている。前述したように、無料通話が毎月のように余るのは、明らかに間違った料金プランを選んでいるということになる。

 そこで料金を節約するために、料金プランを変更する。具体的には今使っているプランより1つ下の(安い)プランを選べばよい。これなら今まで余っていた無料通話分を消化できるし、1カ月の支払額も安くなる。無料通話は無駄に余らせずに、料金プランを下げて消化しようという方法である。

 auとソフトバンクのオレンジプラン/ブループランの場合は、プランを変更すると翌月から適用されるので、翌月以降の料金が安くなる。一方のドコモは月の途中で変更できるので、「15日まではタイプL」「16日以降はタイプM」といった細かい変更ができるわけだ。とことん節約する気があるのなら、月の途中で無料通話の利用状況をチェックし、余り過ぎているようならその場で変更するといいだろう。

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