007/カジノ・ロワイヤル「ボンドだ、Mにつないでくれ」Mobile&Movie 第241回

» 2007年01月09日 14時07分 公開
[本田亜友子,ITmedia]
作品名007/カジノ・ロワイヤル(CASINO ROYALE)
監督マーティン・キャンベル
制作年・製作国2006年イギリス・チェコ・ドイツ・アメリカ合作


 今回ご紹介するのは、2007年の1本目にふさわしい『007 カジノ・ロワイヤル』。スタイリッシュでタフな諜報員、ジェームス・ボンドが活躍する007シリーズの21作目となります。注目すべきはダニエル・クレイグ演じる、新生ジェームス・ボンド。前作のピアース・ブロスナン版ボンドよりも荒削りでワイルドでありながら、ソニーのモバイル製品を操って、冷静に敵を追い詰めていきます。以下、内容に触れますので、これから見る予定の方は注意してください。

 イギリスの諜報機関に所属するジェームス・ボンド(ダニエル・クレイグ)は、本名を明かさない謎の上司M(ジュディ・デンチ)の推薦で、状況によっては殺人も辞さない“00”(ダブルオー)に昇格することに。諜報員としてのテクニックやセンスは抜群なものの、無鉄砲なボンドをMは監視しつつ、“007”としての最初の任務を与えました。それは、テロリストの莫大な資金源を突き止めること。どうやら巨大な闇の投資ファンドが作られ、世界中で武器の売買やマネーロンダリングが行なわれているようなのです。その組織の中心人物が誰なのか、ボンドは探ることに。

 マダガスカルでの爆弾テロの情報を知り、テロの主犯格の男から資金源を聞き出そうとするボンド。必死に抵抗する男から、ボンドは携帯電話を奪い、その発信履歴を確認します。通話データから、バハマへかけていることが分かり、ボンドは直ちにバハマに飛びます。

 ボンドはマダガスカルの爆弾男が電話をかけた相手・ディミトリオスと、接触を図ることに成功。ナッソーの高級ホテルに滞在していることを突き止めます。そこでボンドは、ホテルの内部に忍び込み防犯カメラの映像を細工し、自分の携帯電話で撮影した動画を防犯カメラに流し続けたのです。こうしてガードマンの目を盗み、闇の組織に一歩ずつ近付いていくボンド。ディミトリオスの携帯電話も奪い、発信履歴を確認。ディミトリオスがまた別の爆弾テロに関わっていることがわかったのです。狙いは、空港で初披露される最新の旅客機。

 「ボンドだ、Mにつないでくれ」

 ボンドは、Mの耳にもまだ届いていないであろう爆弾テロの情報を伝えようと、携帯電話で本部に連絡を入れます。

 「つなげません」

 Mは出ようとせず、交換手は冷たく言い放ちます。

 「早くつなげ! 爆弾事件が起きてしまう!」

 ボンドの切実な声に、渋々電話に出ることにしたMは

 「ボンド、何なの?」

 とあきれた様子。しかし、ボンドの言う通りバハマの空港の警備を強化し、ボンドが追っていたディミトリオスのデータを調べてみると、ル・シッフル(マッツ・ミケルセン)という男が浮かび上がってきました。長年追いかけていた闇の投資ファンドの首謀者を見つけることができたのです。

 ボンドの尽力で、空港での最悪の事態は避けられましたが、唯一被害を受けたのがル・シッフル。テロの失敗によって、ファンドが大損してしまったのです。追い詰められたル・シッフルは、カジノでの一攫千金を狙うとの情報が。そこで天性のギャンブルのセンスを持つボンドに、ル・シッフルとのカジノでの直接対決をするよう、Mは命じます。その資金を持ってきたのが、監視役のヴェスパー・リンド(エヴァ・グリーン)でした。

 クライマックスでは、ヴェスパーの携帯電話もボンドに重要な証拠を与えます。今回の007は、携帯電話の活躍ぶりにも注目です。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年