作品名 | 悪夢探偵(NIGHTMARE DETECTIVE) |
監督 | 塚本晋也 |
制作年・製作国 | 2007年日本作品 |
今回ご紹介するのは、他人の夢の中へ入っていける能力を持つ男が主人公の『悪夢探偵』。その悪夢探偵に扮するのは松田龍平、そして相手役はホラー映画初出演のhitomiです。恐ろしい惨殺事件の引き金となったのは、密室で発見された遺体が手にしていた携帯電話でした。
警視庁のエリート・霧島(hitomi)は、数年前から後味の悪い夢に悩まされていました。不眠症の日々を紛らせるため仕事に打ち込み、男性顔負けの成果をあげていきました。やがて、現場での捜査に立ち返りたいという思いを抱き、異動を希望することに。
初めて霧島が警察署にやって来た日、轄内で女性の惨殺体が発見されます。同僚の若宮(安藤政信)たちと現場へやって来た霧島。あまりの悲惨さに一瞬顔を歪めますが、気を取り直して、現場検証にあたります。遺体のあったマンションは密室で、凶器を持っていたのは本人のよう。しかし、自殺にしてはあまりにも酷い傷痕……。ベテラン刑事の関谷(大杉漣)は自殺として終わらせようとしましたが、霧島は執拗に現場を調べます。すると、そこに携帯電話が。
「昨夜、誰かと電話してるみたいです」
履歴を調べてみると、死亡推定時刻とほぼ同時刻に、電話していた相手はメモリ“0”(ゼロ)と登録されていました。携帯電話を押収し、発信元を調べることに。
続いて、会社員の男が同じような惨殺死体で発見されました。妻がその様子を目撃しており、夢の中で誰かに襲われているみたいだったと証言。会社員の携帯電話を調べてみると、同じく“0”が登録されており、自殺をする前に話していたのです。
「“0”っていうヤツが存在して、自殺するよう暗示をかけたのかも……」
刑事の誰かが自殺者のふりして電話するのが、“0”に近付く最も有効な方法。“0”とのコンタクトを試みますが、なぜか他の電話では繋がりません。自殺者の携帯電話でリダイヤルするしかないのです。霧島はリダイヤルも慎重におこなった方がいいと若宮たちを諌めます。
殺人は本当に誰かの暗示なのか、自殺者の意思なのか──。捜査が行き詰まったところで、若宮がふと漏らします。
「携帯の番号から、その持ち主がわかっちゃうなんて人いませんか?」
夢の中で殺されたという事件の捜査で、頼りになりそうなのは超能力者。
「そんな人、普通いませんよね」
と若宮は苦笑いしますが、霧島は
「夢診断ができる人は?」
と真剣に尋ねます。すると刑事のひとりが心当たりがあると言い出しました。そして、紹介されたのが影沼(松田龍平)でした。夢の中に入れるという影沼の能力とは? そして“0”の正体は? 塚本晋也監督の映像美が冴え渡る惨殺場面は、悪夢を見そうな恐ろしさです……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.