「携帯はもうかるビジネス」 ソフトバンク4〜12月期、営業益7倍に

» 2007年02月08日 20時43分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 「携帯はもうかるビジネスだと感じていたが、順調に利益に貢献している」――ソフトバンクの孫正義社長は2月8日に開いた2006年4〜12月期の決算説明会をこう切り出した。営業利益は前年同期比約7倍で、半分以上を携帯事業で稼ぎ出した。月額基本使用料980円の「ホワイトプラン」が人気で加入者数も順調に増え、大規模な広告展開や販売戦略で店頭シェアも拡大した。

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 売上高は前年同期比約2.2倍の1兆8223億円、営業利益は1972億円、経常利益は1116億円(前年同期は22億円の営業損失)、純利益は同23.1%増の219億円。うち携帯事業の売上高は1兆147億円、営業利益は1135億円と、それぞれ全体の半分以上を稼ぎ出した。

 契約者の純増数は毎月伸びており、1月には16万4000契約を記録。同月の純増シェアは43%と「ボーダフォン、Jフォン時代を含めても過去最高値」と孫社長は胸を張った。薄型・ワンセグ搭載モデルなど新端末が人気を得ているほか、ホワイトプランに支持が集まった。

photo 「MNP前は『ソフトバンクは草刈り場になる』とも言われていたが、順調に伸びた」と孫社長

 「誰にでも分かりやすい究極のプラン」と孫社長が自賛するホワイトプランは、1月16日から約3週間で計105万加入(新規ユーザー:21万件、既存ユーザーの買い換え・プラン乗り換え:84万件)あったといい、新規ユーザーは8割がホワイトプランに加入した計算だ。端末を割賦販売する「新スーパーボーナス」も人気で、8割のユーザーが利用しているという。

 ブラッド・ピットなどを起用したCMや量販店店頭での存在感向上の効果も出た。同社の推計によると、1月の家電量販店での販売数量シェアは昨年8月の2倍以上、30%を超える水準に向上した。

 総務省が開いている「モバイルビジネス研究会」でSIMロックの解除が議論されており、NTTドコモKDDIは解除に反対しているが、孫社長は「端末の販売奨励金がなくなり、すべて割賦販売になればSIMロックは外せるかもしれない。通信料と端末を分離するのは、中長期的には正しいやり方の1つ」と、他2社よりも前向きな姿勢を示した。

ADSLは増益、「おとくライン」は赤字幅縮小

ソフトバンクの株価チャートソフトバンクの株価チャート(1年:縦軸の単位は円)

 ADSL・FTTH事業から成る「ブロードバンド・インフラ事業」の売上高は、前年同期比0.4%減の1963億円、営業利益は同約2.3倍の194億円。ADSL回線は増加が続いており、50Mbpsなど高付加価値プランの利用率が上がって利益率が高まった。FTTHの損益も改善傾向としている。

 「おとくライン」を運営するソフトバンクテレコムの固定通信事業は、売上高は同5%増の135億円。営業損失幅は前年同期の10分の1以下に縮小し、23億円となった。

 ヤフーなどで構成するインターネット・カルチャー事業は広告やECが好調で、売上高は同24%増の1413億円、営業利益は同31%増の693億円。ソフトバンクBBの流通事業を含むイーコマース事業は、売上高は同5%減の1895億円、営業利益は同61%増の48億円だった。

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