ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製のWIN端末「W51S」は、2006年の冬モデルとして登場した「W43S」の後継機種として生まれた端末だ。サブディスプレイのないフラットな背面パネルには、時刻や各種の着信情報、アラームなどが浮かび上がるように光って表示される「お知らせアイコン&イルミネーション」を採用。イルミネーションは、W43Sのように背面全体を光らせるのではなく、メインディスプレイ側の先端部と、普段は隠れて見えない背面のアイコンを点灯/点滅させるというさりげない演出だ。
“Be a Beauty”“すべてのあなたに美しいケータイ”をキャッチコピーに掲げるW51Sは、どのような狙いで開発された端末なのか? 開発陣に話を聞いた。
柔らかなイルミネーションや浮かび上がるアイコンなど、“光”の演出が美しいW51Sの製品コンセプトを、冨岡氏は次のように説明する。
「W51Sは、薄型でコンパクト、十分な機能、光の楽しさというW43Sの内容を踏襲したうえで、より“春”という季節を意識しています。入学・入社といった新生活が始まるタイミングに合わせて、新しい端末、新しいサービスを使って便利さを感じてもらいたい──こんな思いから、日常生活で役立つ機能を全部積み込み、かつちょっとした楽しさを盛り込んだスタンダードモデルになっています」
女優の沢尻エリカさんを起用し、“すべてのあなたに美しいケータイ”というキャッチコピーを採用したプロモーションを展開。このコピーには端末のデザインやプロモーションだけでなく、機能も含めた全体のテイストが、あらゆる嗜好を持ったユーザーにマッチし、使って楽しんでもらえる端末にしたいという思いを込めたという。幅広いユーザーに向けた端末であるため、デザインはあくまでシンプルだ。
「端末の機能がどんどん進化する中で、ある機能を特化させたり、とがったスペックを持たせたモデルが増えていますが、一方で普段使いの便利さがほしいというニーズも確実にあると考えています。そういったユーザーに向けたデザインならば、シンプルで癖のないデザインにすべきと考えました」(冨岡氏)
デザインのコンセプトは「ステーショナリー」。プロダクトデザインを担当した兼田氏は、シンプルで洗練されたスクエアフォルムを採用し、お気に入りの手帳や革小物などを連想させる端末に仕上げたと話す。
「開発がスタートした時の全体のテーマは『デスクトップストーリー』。机の上で使う革小物などをイメージしながら開発を進めました。革小物などは普段から使っているもので親しみやすく、長く愛用するもの。そこでカラーごとにテクスチャーを変えるなど、(ボディカラーに合わせた)3つの世界観をきちんと作ってあげることにしたのです」
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