ウェブドゥジャパンは4月11日、ユーザーが閲覧している携帯サイトの内容に関連性が高い広告を配信するコンテンツ連動型広告配信サービス「AdPage」を5月上旬から開始すると発表した(4月11日の記事参照)。
AdPageは、同社が提供している検索エンジン「CROOZ!」および提携サイトで提供している、検索連動型の広告配信サービス「AdSearch」で培ったクロール技術や日本語解析技術、連動型広告配信システム、そしてマーケティングノウハウを活用して開発した新しい広告配信サービスだ。ユーザーが見ているページに掲載されているすべての文章を独自のアルゴリズムで解析し、その結果を基に広告を掲載する。
新サービスの概要を説明した取締役広告営業本部長の古瀬祥一氏は、「広告主から見ると、費用対効果が高く、ユーザーと広告のマッチングが容易になるというメリットがある。またコンテンツを掲載しているメディアにとっても、タグを張るだけで関連性の高い広告が自動的に掲載されるため、広告のクリック数が上がるという効果がある」とその特徴を紹介した。
5月1日からウェブドゥジャパンで展開している媒体で提供を始めるほか、提携する260以上の携帯サイトへも順次導入していく。
ウェブドゥジャパン代表取締役社長の小渕宏二氏は、同社がいち早くコンテンツ連動型広告配信サービスを開始する理由について「モバイル向けのP4P広告市場は急成長が見込まれている。競合も当然この市場に展開してくると予想するが、まだまだ黎明期なので、当社が市場で自由に活動できるという有利な状況がある」からだと話した。
P4PとはPay for Performanceを略した言葉だが、P4P広告というと一般にキーワードに連動した広告を指す。PC向けでは、グーグルの「AdSense」や、Yahoo!JAPANなどが採用している「スポンサードサーチ」など、ユーザーが入力した検索キーワードとマッチする広告を表示する検索連動型配信サービスや、コンテンツの内容と関連性が高いコンテンツ連動型配信サービスがすでに展開されている。しかし、携帯電話向けとしてはまだ検索連動型が主流で、コンテンツ連動型はほとんどない。
「PC向けのWebサイトでは、検索連動型広告の市場規模が拡大しており、2006年にはPC向けネット広告の約25%を占めるまでになっている。今後もしばらくは成長が続くだろう。ただ、おそらく今後は安定成長に移行する。一方、モバイル向けの広告に占める検索連動型広告の割合は、今まさに急速な立ち上がりを見せているところ。ここ数年は前年比で100%以上の増加が見込まれている。もうあと1〜3年くらいは、当社の先行優位性が遺憾なく発揮できる」(小渕氏)
アウンコンサルティングによると、携帯電話などのモバイル機器向けP4P広告の市場規模は2006年で21億円。これが2007年には46億円、2010年には189億円と、5年間で約9倍に成長すると予測している。ウェブドゥジャパンはこの市場で先行することで、広告ビジネスを企業の成長ドライバーに据え、さらなる売り上げ増を目指す。
「ウェブドゥジャパンは、モバイル向けの広告業界にいち早く参入し、効果の高いキーワード連動型の広告を展開してきたモバイルSEMのリーディングカンパニー。スタートしたのはYahoo! JAPANやグーグルよりも1年半以上早かった。このリードタイムを有効に活用したい。また弊社にはサイバーエージェントやオプト、セプテーニといったネット系広告代理店3社との資本提携関係があり、広告の販売力の高さは業界屈指。モバイルに特化した営業部隊を23人抱えており、この点にも一日の長がある。また月70億インプレッションという高い負荷を処理できるサーバやインフラを持っており、モバイルコンテンツならではの、局所的に集中する負荷にも対応できる技術力もある」(小渕氏)
ちなみにウェブドゥジャパンでは、検索サイトCROOZ!のほかにも多数のモバイルサイトに検索サービスをOEMで提供しており、広告の露出数は2007年3月の時点で68億インプレッション。クリックモデルを採用している同社の広告ビジネスは、単純にユーザーが広告をクリックする回数が増えれば売り上げが増える。サービスを展開予定の提携サイトの中には、「girlswalker.com」のような、携帯向けサイトとしてはYahoo!モバイルなどにも匹敵するトラフィックを持つサイトが含まれていることから、非常に高い広告露出数も期待できると自信を見せた。
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