Windows Live Spacesは、同名のPC向けブログ/オンラインアルバムサービスをモバイル環境でも使えるようにするものだ。同社のIMサービス/Webメールサービスに比べると、まだなじみのないサービスかもしれない。
PC用にはいくつかのサービスがあるが、モバイル用で使えるのはオンラインアルバムのみだ。アルバムの公開先はIMのメンバーリストを利用して制限でき、知人友人のみに設定できる。勘違いしやすいのは、Windows Live Messengerの共有スペース機能とは異なる点だ。筆者も最初は勘違いして戸惑ってしまった。
オンラインアルバムへの登録は非常に簡単。「画像とビデオ」を開いて目的の画像を選び、「スペースに送信」を選択するだけ。つまり、メニュー内の送信先にWindows Live Spacesが追加されるわけだ。Webブラウザやメールを使って送信するよりは格段に手軽だ。なお自分のアルバムを見るには、Webブラウザから“Windows Live Spaces”にアクセスすればよい。“マイクロソフトのオンラインサービス”ということで、Internet Explorer Mobileだけでなく、Opera Mobileでもアクセスしてみたが、問題なくアクセスできた。
最後にWindows Live Searchに触れておくが、これはWindows Live for Windows Mobileの画面から検索キーワードを入力すると、既定のWebブラウザで検索を実行するという機能。一種のランチャーであり、PCでいうポータルサイトのツールバーのような存在だ。
Windows Live for Windows Mobileの目玉はなんといってもWindows Live Messenger。Windows Live MessengerやMSN MessengerなどマイクロソフトのPC向けIMは、以前トップシェアを誇り、ユーザーも非常に多い。W-ZERO3シリーズのみの対応とはいえ、その存在意義は大きい。音声メッセージ(音声メモ)やファイル送受信をサポートし、操作性も良好だ。特に、W-ZERO3[es]であればフルキーボードやスタイラスを利用せずとも、ダイヤルキーによって“ケータイメール”感覚でIMを利用できる。
Windows Live Messengerはすでに、iアプリ/BREWアプリなどの形で携帯電話向けに提供されている。しかし、スマートフォンであるW-ZERO3シリーズで使う方が利便性や操作性の点で上回る。QWERTYキーボードでの文字入力や、オフィス文書の編集が可能な点が大きな魅力になるだろう。特にファイルの送受信機能はビジネスユースではいざという時に役に立ちそうだし、音声メモ機能も便利だ。文字だけのコミニュケーションに終わらないのが、スマートフォンであるW-ZERO3シリーズの強みだ。
厳密には、Windows Live for Windows MobileはマイクロソフトがWindows Mobile端末向けに提供する機能であり、W-ZERO3専用のサービスではない。しかし、現時点ではW-ZERO3シリーズのみで使え、W-ZERO3シリーズの持つコミュニケーションツールとしての魅力を広げてくれるのも事実だ。
また、時間や場所の制限が少なくIMが使えるというのもウィルコム向けだ。リーズナブルな2xパケット方式の通信速度でも、これといってストレスを感じることは少ないだろう。エリアが全国規模であることはもちろん、地下鉄駅構内や主要地下街、大規模商業施設でも利用できる。
仮に、実用的な定額料金でHSDPA通信できるイー・モバイルの「EM・ONE」で、Windows Live for Windows Mobileが利用できればさらに快適だろうが、サービスエリアが首都圏など3大都市圏に限られるし、地下鉄の駅や地下街では利用できない可能性もまだ高い。時間が解決する問題ではあるが、現時点でW-ZERO3シリーズとWindows Live for Windows Mobileの相性がよいことは間違いないだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.