ブラッド・ダイヤモンド「盗んだGPSで悪いか!」Mobile&Movie 第256回

» 2007年04月20日 14時36分 公開
[本田亜友子,ITmedia]
作品名ブラッド・ダイヤモンド(BLOOD DIAMOND)
監督エドワード・ズウィック
制作年・製作国2006年アメリカ


 今回ご紹介するのは、アカデミー賞でレオナルド・ディカプリオが『ディパーテッド』と共に主演男優賞にノミネートされた『ブラッド・ダイヤモンド』。アフリカの内戦下でしたたかに生き抜く、ダイヤモンドの密売人を演じて新境地を拓いています。ダイヤの取引にかかせないのが携帯電話。アフリカならではの衛星携帯電話が活躍しています。

 ダニー・アーチャー(レオナルド・ディカプリオ)は、アフリカの大地で生まれた白人。内戦の中で家族と別れ、傭兵として生きる術を身につけた後、ダイヤモンドの密売人としてアフリカを渡り歩いていました。ダニーが買うダイヤは、反政府組織が採掘した裏ルートのもの。ダイヤを買った金が、さらに紛争を招いていることにもお構いなし。時には、ダイヤと引き換えに武器を渡すこともありました。

 ある時、ダニーは巨大なピンク・ダイヤモンドの噂を聞きつけます。ある男がそれを見つけて隠していると。ダニーは噂の元になっている男・ソロモン(ジャイモン・フンスー)を見つけ出し、ダイヤのありかを尋ねようとします。しかし、ソロモンは知らないの一点張り。取引に数回失敗していたダニーは、巨大なピンクダイヤでその埋め合わせをするつもりでした。ダニーはソロモンの願いを聞き入れる代わりに、ダイヤの場所を教えてほしいと交換条件を出すことに。

 ソロモンは、漁師として家族と慎ましく暮らしていましたが、ある時反政府組織が村を襲い、家族は離れ離れになってしまいました。反政府組織に連れられて、やってきた採掘場で大きなピンクダイヤを見つけ、すぐに隠したのです。そんなソロモンの願いは、引き裂かれた家族と再会することでした。

 ピンクダイヤに執念を燃やすダニーの前に、突然現われたのが女性ジャーナリストのマディー・ボウエン(ジェニファー・コネリー)でした。マディーは、ダニーをダイヤの密売人と見抜き、どんな経路でダイヤが市場に渡っているのか、徹底的に調べるつもりでした。良心は痛まないのかとダニーを責めるマディ。そんなマディを一度は退けたダニーでしたが、ソロモンの家族の行方を調べてもらうために、マディを利用する方法を思いつきます。

 ダイヤを奪いたいダニー、家族と会いたいソロモン、真実を暴きたいマディの思惑が絡み合う中、内戦もさらに激しくなっていきます。アフリカを離れざるをえなくなったマディは必ず密売ダイヤの情報をくれるよう、ダニーに携帯電話の番号を渡します。

 そして、ダニーはソロモンと二人で、反政府組織のアジトに近い採掘場へ向かうことに。必要な武器は、かつて傭兵としてダニーが世話になった部隊で調達し、いよいよピンク・ダイヤモンドのありかまで近付いてきました。ダニーは傭兵たちに反政府組織への援護攻撃を依頼するため、衛星携帯電話で連絡を入れます。元同僚の傭兵はダニーが武器やGPSを盗んだことに腹を立てていましたが

 「盗んだGPSで悪いか!」

 とダニーは開き直って、反政府組織を壊滅させるチャンスと告げます。正確な場所を、盗んだGPSで測定し伝え、いよいよ最終決戦。ダニーは降り注ぐ銃弾の中、ピンク・ダイヤモンドを手に入れることができるのでしょうか? そして、ソロモンと家族の運命は? 衛星携帯電話で話すラストシーンは、アフリカのスケールを感じる美しさです。

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