映像ケータイ「P903iX HIGH-SPEED」は、どこまで“遊べる”か(後編)(3/3 ページ)

» 2007年05月01日 10時00分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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 ここで特に便利と感じたのは“再生履歴”と“しおり”機能だ。

 再生履歴は、過去に再生したものを最新から30件自動的に記憶し、一覧から選ぶだけで再生してくれるもの。しおりは、一時中断した再生位置を記憶する機能となる。直前に再生したコンテンツは、再生停止位置を“復旧しおり”として自動的に挿入されるほか、手動で任意の再生位置を登録しておくこともできる。それぞれローカル保存データはもちろん、Web上ストリーミングコンテンツにも有効。過去に観たコンテンツをもう一度再生したい場合も、これらを活用することでスマートに使用できるだろう。

photophoto 再生履歴はコンテンツ単位で、しおりはコンテンツに加えて再生位置も記録する。しおりは「PC動画」と「iモーション」で別々に管理され、前者は最大10件、後者は最大3件が登録可能。うち1件は復旧しおりとして利用される

 P903iXはBluetoothも搭載する。そのためコンテンツの音声出力も、Bluetoothによるワイヤレスステレオ再生(A2DP)で行える。

 ちなみに本機では前回の音声出力先が記録される仕組みとなった。直前の再生でBluetoothを使用した場合には次の再生もBluetoothオーディオ機器との接続を自動で行ってくれる。再生前にBluetoothオーディオ機器の電源を入れておくだけで済むようになったのは、通勤・通学時など頻繁にBluetooth+イヤフォンを使うユーザーにとってうれしいところだ。

photophoto 前回にBluetoothを利用していれば、動画再生の開始と同時にBluetoothオーディオ機器と接続される。純正オプションのBluetoothレシーバー「Wireless P01」(左)のほか、ソニー「DR-BT21G」などの市販Bluetoothレシーバーなどでも使用可能だった

 P903iXは内蔵カメラで撮影したムービーなどを外部へ出力できる、AV出力に対応する。しかしPC動画、つまりWMVは、残念ながらAV出力できない。一般的に、同じPCで作成した動画ファイルもH.264であればiモーション扱いということでAV出力可能であるのだが、技術的な理由ならともかく、オトナの事情でWMVのAV出力が無効になっているとするとちょっと残念だ。

 例えばビットレート768KbpsほどのH.264動画なら、外部出力でもそれなりに楽しめるほどの映像クオリティとなりえる。技術的に可能なのであれば、PCで自作したWMVも出力できればもっと遊べるのになぁと思うわけだ。

今後の対応がどうなるか次第だが、明るい可能性を大いに示した端末

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 P903iXはWMV再生に対応したことで、“ブロードバンド接続のPCと同じようにできるのか”と過度な期待を受けがちではある。もちろん前述した通り、PC向けにWMV形式で配信されるすべての動画コンテンツが再生できるわけではないし、再生可能なのはサイズが320×240ピクセル以下となる制限もあるため、すでにPCに保存してあるWMVファイルをそのまま再生できない場合も多いだろう。

 しかし“携帯でも、クオリティの高い映像をいつでもどこでも定額で”という明るい可能性は大いに示した。

 ストリーミング、自作を含めてほかのどの端末より幅広く動画を楽しめるのは大きなメリットであり、PCで動画を自作する場合もWMVの場合はリファレンスがしっかりしているので、再生互換性の問題も少ないだろう。今後の動画配信サイトの対応次第では、さらに魅力が増すに違いない。

 著作権保護の部分や動作確認など、配信側はいろいろ困難な部分もあると思うが、コンテンツをP903iX、あるいは今後のWMV対応携帯にも開放してほしいと強く思う。これらは、PCで有償コンテンツを利用してもらうためのプロモーションの1つとして活用するのも決して悪くはないと思うのだ。

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