ドコモの904iシリーズ5機種で唯一ワンセグを搭載する富士通製の「F904i」。2007年2月末から順次発売されたワンセグ搭載の「903iTV」シリーズと併売されることもあり、ワンセグ機能を軸に購入を検討するユーザーも多いと思われる。
今回はまず、ドコモのワンセグ搭載端末の中で受信感度に優れるパナソニック モバイルコミュニケーションズ製の「P903iTV」を用いて簡単な受信比較を行ってみた。
受信場所は東京都港区にある山王パークタワー30階(ドコモ本社)の1室。窓際の受信環境がよいと思われるところでワンセグを起動した。とりあえずこの場所ではF904i、P903iTVともにホイップアンテナを収納したままでも問題なく受信できた。
ワンセグ携帯の中には、屋内に入るとアンテナを伸ばさないと受信できないものもある。この点からいくと、F904iの受信感度はとりあえず一般的なレベルは確保しているといえそうだ。
次にアンテナを収納したままビル内の廊下を移動する。P903iTVはここでも問題なく視聴できたが、F904iはアンテナを収納したままだと映像が途切れる動きを見せた。なお、このような場所でも(瞬間的な映像の途切れが発生することもややあるが)アンテナを伸ばせば映像もおおむね正常に表示される。
というわけで今回少し試した限りでは、F904iとP903iTVの受信能力の差はアンテナを収納した状態でやや大きいかなと感じた。さすがに2つのアンテナと「合成ダイバーシティ対応チューナー」を採用するP903iTVの方が、より安定してワンセグを視聴できる可能性が高いといえる。ただし、最も厚い部分で4ミリも薄いF904iのスリムさなどを考慮し、これはトレードオフと考えることもできるだろうか。
F904iはワンセグ視聴画面とメール画面を、横に2分割して表示できる仕組みを備える。設定により、ワンセグ視聴中もメールが届くと自動的に画面が2分割され、メール受信通知画面に切り替わる。ワンセグを視聴しながらメール操作も容易に行えるわけだ。
なお、この2分割機能はディスプレイを90度横に回転させた横表示時に有効となる。2分割された状態でディスプレイを縦位置に戻すと、ワンセグは音声のみの出力となり、画面はメール操作モード表示となるなど“ヨコモーション”の動きと連動する仕組みだ。メールを広い画面でさっと確認したい場合は、ディスプレイを元の位置に戻せばよい。この操作性はなかなかよい。
なおARIB(電波産業会)の規定に沿って、2分割画面時はアドレス帳に登録された相手からのiモードメールないしSMS以外は表示できないようになっている。
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