モバイル広告の利点は“ターゲットを絞り込みやすい”──D2Cら3社の調査

» 2007年05月28日 23時08分 公開
[ITmedia]

 日経広告研究所、日経メディアラボ、およびディーツー コミュニケーションズは、モバイル広告について企業の利用動向を調査した結果を発表した。日経広告研究所の調査データ「有力企業の広告宣伝費」の上位企業1500社を対象に、2月から3月にかけてアンケートを実施。274社の回答結果をまとめた。

 同調査によれば、2006年度にデジタル広告を出稿した企業は、PCインターネット広告が51.1%、モバイル広告が13.5%。PC広告は2005年に比較して1.9ポイント、モバイル広告は4.1ポイント増加している。

 広告費はインターネット広告の場合、「1000〜3000万円未満」が25.7%、「1000万円未満」が23.9%で、平均金額は1億3821万円となったが、昨年と比べて大きな差は見られなかったという。一方のモバイル広告は「1000万円未満」が48.0%と約半数を占め、「3000〜5000万円未満」が20.0%で続いている。平均金額は8309万円と、昨年を600万円程度上回った。

 広告費全額における各媒体の配分比率は、「新聞」が22.9%、「テレビ」が19.4%、「雑誌」が14.2%で上位を占めた。PC広告とモバイル広告をあわせた「デジタル広告」は7.8%。「デジタル広告」の比率は、「モバイル広告出稿企業」では18.4%と、全体回答よりも10ポイント程度高かった。業種別に見ると、「金融」が18.9%と他業種と比べ突出して多かったという。

 なお、デジタル広告にかける比率が昨年よりも「増えた」と回答している企業は31.0%にのぼった。また、デジタル広告出稿企業のうち、PC広告とモバイル広告の比率は7対3となっており、2005年度の8対2と比べ、モバイル広告への比率が高まっていることが分かる。

 モバイルサイトの開設状況は、「常設している」が35.4%、「キャンペーン時のみ開設している」が5.5%、「開設していない」56.9%。「常設している」と回答した企業では、33.0.%がモバイル広告を「出稿した」と回答している。

 回答企業全体にモバイル広告の利点を聞いたところ、「ターゲットを絞り込みやすい」という回答が37.6%、「目的に合わせた利用がしやすい」が29.2%、「制限が少なく新しい試みにチャレンジしやすい」が26.3%、「効果がすぐに把握できる」が25.5%、「口コミ効果が期待できる」が24.8%で上位を占めた。

 2006年度に実際、モバイル広告を出稿した企業は全般に評価が高く、特に「ターゲットが絞り込みやすい」が56.8%、「効果がすぐに期待できる」が48.6%と、全体を20ポンド程度上回った。また、いずれの評価項目も、全体的に2005年度と比べて高くなっており、モバイル広告の評価が向上していることがうかがえる。

 2006年度にモバイル広告を利用していない企業に対し、今後の利用意向を聞いたところ、「現在利用を検討している」という回答が8.0%、「検討までいたっていないが今後利用したい」が18.1%で、利用意向企業は3割弱にとどまった。属性別にみると、「モバイルサイト常設企業」では40.0%が利用意向を示している。

 また、2007年度の広告予算が高いほど、利用意向も高くなっており、「20億以上」の企業では、45.5%が「利用検討中」または「今後利用したい」と回答した。業種別では「サービス」「金融」で高い利用意向が見られた。

 モバイル広告出稿の未検討企業が利用しない理由は、「自社商品のターゲットにマッチしていない」という回答が51.9%で最も多く、その他に「効果が不明確」が36.4%、「商品の購買に結びつきにくい」が25.2%、「広告会社から提案を受けたことがない」が11.2%となった。

 なお、回答企業全体で2007年度の広告費全体における媒体別配分比率の増減をみると、「増やす」と回答した媒体は、「インターネット」が35.0%で突出しており、これに「モバイル広告」の18.6%、「テレビ」の17.9%、「雑誌」の16.1%、「新聞」の13.5%が続いた。他方、「減らす」という回答は「新聞」が17.9%、「雑誌」が16.4%、「テレビ」が10.6%となり、「モバイル広告」はわずか1.1%だった。

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