“P”が変えたこと、どうしても変えられなかったこと(後編)開発陣に聞く「P904i」(1/3 ページ)

» 2007年06月18日 00時00分 公開
[岩城俊介,ITmedia]

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photo 「P904i」開発チーム。左からデザイン担当のパナソニックデザイン社AVCNモバイルグループコミュニケーションチーム主任意匠技師 古宮幸昌氏、商品機構設計グループ設計第二グループ主任技師の山本孝一氏、プロジェクトマネジメントグループプロジェクトマネージャーの萩原裕照氏、デバイス・ファーム開発グループAVファームウェアチーム主幹技師の横山洋児氏、商品企画グループ主事の周防利克氏

背面の左右非対称デザインは“黄金比率”

 P904iは、背面に左右非対称のミラー調パネルを採用したことに加え、カメラユニットが裏面に移った。

 今までの“顔”を表現していた「5つのマル」から、カメラレンズの大きいマルが1つなくなった。デザイン担当の古宮氏は、ロボットのような、あるいはアイコン的な特徴的な表情が薄れたとき、それに依存しない新しい“顔”をどう表現するかに多くの時間を割いた。

photophoto 背面パネルは“黄金比率”の左右非対称デザインになっている。今まで“顔”を印象付ける大きな要素だったカメラは裏面へ移った

 「何らかの飾り付けをすることで安直に表現してしまう──というのはあまりやりたくありませんでした。なるべく少ない要素で、一目見て“P”だと分かる、シンプルで力強いものにしたかったのです。例えば“子どもが書いたのを見ても分かる”などです。P904iはおそらく、長方形の中央からちょっとずらして縦線を引くように書けば“P”に見える……ようなものに仕上がったと思います」(古宮氏)

 左右非対称のデザインは人によってバランスが悪いと感じ、受け付けないこともある。では、P904iを見て、バランスが悪いと感じるだろうか。

photo 左右の色の組み合わせに用いた多数の見本

 「この左右の比率は、“黄金比率”になっています。実は最初から黄金比率で考えていたわけではなく、いろいろ試していて最も美しいと採用したのが、結果、黄金比率だったわけなのですが(笑)」

 黄金比率(黄金分割)は、「大小の比が1:0.618あるいは1:1.618で、人が見て最も安定し、美しいとされる比率」(三省堂 大辞林から)。違和感を覚えない左右非対称の形状も、根底に大きな意図が隠されていた。

 背面の半分以上を占める部分に採用する、ハーフミラー調のパネルにも、“なんとなく分けた”だけではないこだわりを盛り込んだ。

 「左右の色の組み合わせも、いろいろなパターンのモックアップを作り、あれこれ付け替えながら絞り込んでいきました」(古宮氏)

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