行列に並んで「iPhone」を買ってきましたApple Store San Franciscoの6月29日(3/3 ページ)

» 2007年06月30日 16時30分 公開
[鈴木淳也,ITmedia]
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 行列が150人を超えたと思われるころ、暇を持て余したのか、行列の中の何人かが先頭から人数を集計し始めた。数に正確性はないものの、「現在159人!」といった掛け声が聞こえてくると、行列の長さのだいたいの目安がわかる。

 しばらく落ち着いていた行列の伸びは、昼を境に再び活発になり、iPhone販売開始2時間前の午後4時ごろになると、行列はすでにApple Storeがあるブロックの2つ先の交差点を折り返していた。行列はゆうに300メートルを超えており、人数も400人以上に膨れ上がっている。AT&T Storeのほうも、昼過ぎの時点ですでに行列の長さが50人ほどを超えており、各店舗ごとの販売台数を考慮に入れれば、もはや並んでも購入は難しそうな状態だ。まわりには見物客も詰め掛け、いよいよお祭りの終盤が近いことがうかがえる。

 午後5時半、開店30分前には、Apple Storeのスタッフが駆け回って「並んでいる皆さんはiPhoneを手に出来ますので安心してください」と次々と行列の人々に声をかけていった。どうやら行列の人数×2台以上のストックが店内にあるようだ。このタイミングで、設置されていたいすやレジャーシートは次々と撤収され、全員が立った状態でApple Storeの前に集まり始めた。カウントダウンがスタートするころには周囲が人だかりで身動きできない状態に。

PhotoPhoto AT&T Storeの行列は、早くも佳境に。人数もすでに50人ほどを超え、購入可能かどうかのギリギリラインに達している。朝7時の時点で角を曲がった行列は、そのままさらに次の交差点まで到達し、さらに角を曲がって伸びている。この時点で350〜400人規模に達しているとみられる
PhotoPhoto どこからどうやってもってきたのか、小型ソファでくつろぐ人もいた。「Extra iPhone Best Offer(余ったiPhoneにいい値段つけます)」とは転売狙い?

いよいよ発売──iPhoneの購入は非常にスムーズ

 午後6時の少し前、待ち行列と道路の向かいの歩道やビルの窓際に集まった野次馬、普通の通行人や帰宅する人でApple Store前はごった返していた。道路に通行人が大量にあふれて警察のパトカーが出動して警戒にあたる中、いよいよカウントダウンが始まった。

PhotoPhoto 午後4時に一時閉店した直後、スタッフが集まり全体ミーティングへ。普段見かけるスタッフは多くて20名程度なので、およそ3〜4倍はこの日のために増員されてるようだ。全体ミーティング後に店のガラスには黒幕が下ろされ、中が見えないようになった。背景が反射しているため黒幕の様子はわかりにくいが、「iPhone World Premiere Tonight at 6 p.m.」の文字が見える
PhotoPhoto iPhone販売開始20分ほど前の様子。道は人であふれている。道路を挟んだ反対側の歩道にもたくさんの見物客が押しかけた

 今回は行列の中にいたため、オープン直後の店舗の様子を撮影することはできなかったが、12時間以上の耐久レースを生き抜いてきたこともあり、いろいろな意味で貴重な経験ができた。入り口前に設けられたバリケードを抜けて店舗に入ると、2階や1階の方々からスタッフが祝福する声が聞こえてくる。「長らくお待ちいただいて、ありがとうございます。そして、おめでとう。楽しんでください」というスタッフたちの声援に、思わず嬉しさがこみ上げてくる。携帯1つ買うのにこれだけワクワクしたことは初めてかもしれない。

 店舗の内装はiPhone一色になっており、これまでiPodやiPod周辺機器が置かれていたコーナーがiPhone用の特設コーナーに模様変わりしていた。店舗内には大勢のスタッフがiPhone用周辺機器を片手に徘徊しており、店舗内で行列を作っている購入希望者に次々と手渡している。レジでは会計のみのシンプルな作業にするため、このような形で受け渡しているようだ。

 おかげで、当初考えていたよりもスムーズに会計は進み、前から70番ほどだったにもかかわらず、販売開始から20分以内には会計を終えて店を出ることができた。レジは通常の4つのカウンターに加え、クレジットカード用のハンディターミナルも駆使して10人単位くらいで一気に処理しているようで、次々と客をさばいていく。会計に時間がかかることを考慮した深夜までの営業だったと思うが、並んでいる人たちの会計は数時間ほど終わりそうな勢いだった。

 なお既報の通り(6月28日の記事参照)、iPhoneは購入しただけですぐに使えるわけではない。この後はアクティベーションなど、各種のセットアップを行う必要がある。iPhoneのファーストインプレッションは、別稿にまとめたいと思う。

PhotoPhoto 開店後、最初の購入者がiPhoneを片手に店から出てきて歓声を上げた。iPhone販売開始直後のApple Storeでは、販売フロアの1階だけでなく、2階や入り口外からもたくさんのスタッフが声をかけてくれた
PhotoPhoto ストア内はiPhone一色の内装と展示に
PhotoPhoto レジの様子。予想以上のスピードで人が流れていく。ハンディ型のクレジットカード読み取り機で対応する店員もいる

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