沖電気工業が、ワイヤレスジャパン2007で携帯カメラを使ったアイリス認証システムを披露した。
アイリスは黒目の内側にあり、瞳孔の開き具合を調整する役割を担っている。その模様は人それぞれが固有のパターンを持つことから、なりすましされにくい認証方式として利用されている。
虹彩認証システムは各社がリリースしているが、モバイル環境下で稼働するシステムは世界初だと説明員。CPUのスペックやメモリサイズが限られたモバイル環境下で動作する点と、一般的な虹彩認証システムで使われる赤外線カメラではなく、携帯カメラを使って認証を行える点が新しいという。
Windows Mobile 2003とSymbian OS上での動作を確認済みで、ブースではノキアのスマートフォンやSymbolのPocket PC上で稼働する様子を見ることができる。説明員は「LinuxやBREWへの組み込みも可能」だとしている。認証用のカメラは最低でも1Mピクセルが必要で、2Mピクセルを推奨。撮影後の認証時間は32bit RISC 220MHzのCPUで約0.5秒と、すばやい認証が可能だ。
現行製品の課題は、撮影時に撮影補助用ライトなどを使う必要がある点と、アイリス認証時にピントが合うようにするための仕組みが必要な点。デモ機には、アイリスのピント合わせを補助するためのミラーが取り付けられていた。
用途については、携帯から業務用システムにアクセスする際の認証や、おサイフケータイ利用時の認証などを想定しているという。「業務システムへのアクセスは、認証した携帯から直接アクセスするほか、認証情報を携帯からPCに送信し、PCから業務システムにアクセスするようにもできる。おサイフケータイは、高額決済やチャージをする場合のみアイリス認証を使うといった利用法もある」(説明員)
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