日本の“ブラックiPAQ”は何人組?――HP iPAQ新モデルを追うHP Fall 2007 Consumer Launch(1/2 ページ)

» 2007年09月19日 07時00分 公開
[田中宏昌,ITmedia]

やっぱり? どうして? 日本のiPAQ事情

新たに投入されたiPAQ新モデル

 9月11日に開催された米Hewlett-Packardのアジア・パシフィック地域コンシューマー製品発表会(ASIA BigBang 6)では、PCプリンタなどに加えて、iPAQの新製品が多数登場した。本体だけで5モデル、Bluetooth接続のキーボードやスピーカーといった周辺機器を加えるとさらに多くの製品が発表された。エントリーモデルを除き、ブラックボディに改められた新iPAQシリーズを見ると、ますますビジネスツールとしての完成度を高めている印象だ。

 ラインアップは下記の通りで、iPAQ 912 Business MessengerとiPAQ 612 Business NavigatorはGPS機能に加え、GSM/GPRS/EDGEそしてHSDPAのほか、IEEE802.11g/b、Bluetooth 2.0+EDRに対応したスマートフォンだ。iPAQ 212 Enterprise HandheldとiPAQ 112 Classic HandheldはスタンダードなPDAで、iPAQ 312 Travel CompanionはGPS機能を内蔵したナビゲーションシステムという違いがある。

新iPAQのラインアップと市場想定価格(米ドル)
HP iPAQ 912 Business Messenger 599ドル
HP iPAQ 612 Business Navigator 599ドル
HP iPAQ 312 Travel Companion 399ドル
HP iPAQ 212 Enterprise Handheld 399ドル
HP iPAQ 112 Classic Handheld 299ドル

 最も気になるのは、このうちどのモデルが日本で投入されるのか、という点だろう。結論から述べてしまえば、従来と同様スマートフォンの導入は見送られるようで、iPAQ 312/212/112の3モデルのみ日本市場での発売が検討されている模様だ。各モデルの詳細は以下にまとめたが、スマートフォンの2モデルはプロダクトとしてのできがよいだけに、海外のみでの展開となるのが非常に惜しまれる。また、残りの3モデルについても日本で発売される際は型番やスペックなどが異なる可能性がある点は覚えておいてほしい。

展示場では実機に触れることができ、実際に電話もかけられた(写真=左)。iPAQ関連の周辺機器群(写真=中央)。各種電源プラグからキャリングケース、HPロゴ入りメモリカードの姿も(写真=右)

こちらはBluetooth接続のキーボードとヘッドフォン(写真=左)。Bluetooth接続のキーボードは携帯に便利な折りたたみ式だ(写真=中央と右)

QWERTYキーボードを搭載したスマートフォン

 まずは3G通信対応のスマートフォン2モデルを見ていこう。

 iPAQ 912とiPAQ 612は、いずれもGPS機能を内蔵したスマートフォンで、一通りの通信機能を搭載している。OSやCPU、内蔵メモリなど内部の仕様もほぼ共通だ。iPAQ 912はタッチスクリーンのサイズが2.46インチ(LEDバックライト)とやや小さいが、その代わりにQWERTYキーボードを備えているのが特徴だ。右側面にスクロールホイールボタン、前面中央部分に5方向のナビゲーションボタンを用意する。キーボードのタッチは堅めで、指が太めの人はツメで押す必要があるものの確かなクリック感はある。

 一方のiPAQ 612はシンプルなスマートフォンで、LEDバックライト採用のタッチスクリーンが2.8インチ(240×320ドット表示)とiPAQ 912よりも大きい。また、前面のボタン部にリング状のセンサー(SmartTouch navigational wheel)を設け、スクロール操作や地図の拡大/縮小操作などを行えるのがユニークだ。市場想定価格はどちらも599ドル(米ドル)となっている。

QWERTYキーボードを搭載した「HP iPAQ 912 Business Messenger」(写真=左)。裏面に300万画素のカメラを内蔵している(写真=中央)。キー入力を行うとバックライトが光る(写真=右)

天面部分にリセットスイッチなどがあり(写真=左)、底面はスタイラスペンやストラップホールを備える(写真=右)
左側面にmicroSD用のメモリカードスロットやUSB 2.0の端子が(写真=左)、右側面にスクロールホイールやカメラのシャッターボタンが並ぶ(写真=右)

iPAQ 912のメモリ構成(写真=左)。OSはWindows Mobile 6 Professionalを採用する(写真=中央)。3G通信に加え、無線LANやBluetooth機能も備えている(写真=右)

こちらはシンプルなスマートフォン「iPAQ 612 Business Navigator」(写真=左)。数字キーの上部に突起を設け、ホイール操作を行えるのが特徴だ(写真=中央)。iPAQ 912と同様、背面に300万画素のカメラ機能を内蔵する(写真=右)

USB 2.0端子やリセットスイッチ、ストラップホールは底面部分にあり、サムホイールは左側面にある

HP iPAQ 912と612の主なスペック
製品名 iPAQ 912 Business Messenger iPAQ 612 Business Navigator
CPU Marvell PXA270(520MHz)
Memory 128MB SDRAM/256MB Flash ROM
液晶ディスプレイ 2.46インチ(320×240ドット) 2.8インチ(240×320ドット)
通信規格 GSM/GPRS/EDGE/HSDPA
無線LAN IEEE802.11g/b
Bluetooth Bluetooth 2.0+EDR
内蔵カメラ 300万画素(デジタル4倍ズーム)
メモリカードスロット microSD×1
OS Windows Mobile 6 Professional
バッテリー容量 1840mAh(リチウムイオン) 1590mAh(リチウムポリマー)
本体サイズ 64(幅)×113(奥行き)×16(厚さ)ミリ 60.3(幅)×117(奥行き)×17.5(厚さ)ミリ
重量 146グラム 145グラム
市場想定価格 599ドル

 次のページでは、ピュアPDAとナビゲーションシステムのモデルに迫る。

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