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ニュース2007年10月17日 15時06分 更新
KCP+を採用した「W56T」「W54S」「W54SA」で何が変わるのかau 2007年秋冬モデルのハイエンドモデル「W56T」「W54S」「W54SA」は、MSM7500チップセットとKCP+プラットフォームを採用し、従来のWIN端末から大きな進化を遂げた。KCP+端末は、KCP端末とどう変わるのだろうか。米QUALCOMMのCDMA2000 1x EV-DO Rev.A対応チップセット「MSM7500」をベースに、KDDIとQUALCOMMがかねてから開発を進めてきた新プラットフォーム「KCP+」を採用した端末がついにその姿を現した。 auの2007年秋冬モデルラインアップでハイエンドモデルに位置づけられる東芝製端末「W56T」、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製端末「W54S」、三洋電機製端末「W54SA」の3機種では、この最新プラットフォームを採用し、LISMOの「オーディオ機器連携」や「au oneガジェット」「マルチプレイウィンドウ」といった新機能を搭載。メニューや待受画面などには、アクロディアの「VIVID UI」を導入しており、端末メーカーは動画やFlash liteなどを活用した独自のユーザーインタフェースが構築可能だという。 秋冬モデルの発表会場には、残念ながらこれらの新機能を実際に搭載し、動作している端末がなかったため、現状ではKCP+を採用した実機がどのように動くのかはまだ不明な部分も多いが、KCP+について整理するとともに、新機能のau oneガジェットとマルチプレイウィンドウでどんなことができるのかを確認しておこう。 KCP+とはKDDIが構築した最新の携帯電話向けプラットフォームKCP+は、同社が以前から進めてきた携帯電話向けのアプリケーション共通化プラットフォーム「KCP」(KDDI Common Platform)をベースに、より広範囲での共通化を進め、端末を効率的に開発できるようにするもの。開発には東芝と三洋電機が協力してきた。 KDDIは、2005年の夏に投入した「W32SA」「W31T」を皮切りに、KCPの導入を開始した。KCPではQUALCOMMのMSMチップセットとアプリケーション実行環境のBREW、そしてブラウザやメール、EZナビウォーク、SMIL、Flash liteなど一部のアプリケーションが共通化されていたため、端末メーカーは特殊機能やデザインなどの差別化ポイントに開発リソースを集中させることができた。KDDIはKCPの導入により、ソフトウェア開発の工程とコストを削減し、開発費の低減や開発期間の短縮を可能にしたわけだ。現在はauのWIN端末すべてがMSMチップセットとBREWを採用しており、KCPを利用して端末開発を効率化している。 KCP+は、KCPで実現していた共通化の範囲をさらに広げたものだ。KCP+ではMSM7500チップセット、共通デバイス、OS、ミドルウェア、無線通信制御、BREW、アプリケーションまでを共通化しており、端末メーカーはユーザーインタフェースの一部と、差別化デバイスおよびそのデバイスドライバ、そして端末のデザイン(外観)などを主に開発すればいいしくみになっている。これにより、従来よりさらに短期間での端末開発を可能にするほか、新規参入メーカーに対するハードルも低くしている。au秋冬モデルのハイエンドモデルでは、EV-DO Rev.AやBluetoothなどへの対応が図られているが、これもKCP+により容易に実現できたものだという。 このように、端末の共通機能はKDDIが一括して作ることで「同じ端末をより安価に開発できる。コストが安くなるので、ユーザーにも端末を安価に販売できるようになるというメリットがある」とKDDIのコンシューマ商品企画本部プロダクト企画部部長の重野卓氏は発表会で話した。 「今後の端末開発競争の中で、搭載するデバイスや機能が増えれば、その分コストが上乗せされることになるが、共通部分のコストを下げていくことで、端末の価格を維持したまま新しい機能やサービスを楽しんでいただける」(重野氏) 共通化部分が増えることで、端末の“個性”がなくなるのではないか、との懸念もあるが、どちらかというとKDDIの考え方は“同じものを別々に作る無駄を省く”というスタンスだ。端末メーカーはユーザーインタフェースや外観、独自の機能などで差別化を図れるとしている。 なお、今回発表されたW56TとW54Sの外観が酷似している(というよりほぼ同じだ)が、これはKCP+を採用したからというわけではない。あくまでも記者の想像だが、おそらく「au × sony “MUSIC PROJECT”」をスタートするにあたり、ソニー・エリクソン製の対応端末を用意する必要があったものの、開発スケジュールなどの関係で、東芝のOEMという形で登場したのではないかと思われる。 端末上でのマルチタスクを実現──「マルチプレイウィンドウ」KCP+搭載端末で初めて搭載された機能の1つが、マルチタスク機能の「マルチプレイウィンドウ」だ。従来のWIN端末では、同時に複数の機能を利用することはできなかった(機能を中断して別の機能を起動することはできた)が、KCP+端末では、一部の機能をディスプレイの上下に同時表示して利用可能になる。 マルチプレイウィンドウに対応しているのは、EZナビウォーク、EZ助手席ナビ、au Music Player、ワンセグ、EZwebの各機能。発表会場では、ワンセグを視聴しながらGoogleで検索をしたり、EZナビウォークのルート案内を見ながらメールを送受信できるという例を挙げていた。 マルチプレイウィンドウは、対応機能を起動中に、端末に用意された[マルチ]キーを長押しすることで利用できる。先に挙げた対応機能同士であれば、画面が上下に2分割され、操作が可能なアクティブなウインドウが下側に表示される。操作できるのはアクティブな画面のみで、2つの画面を同時に操作することはできないものの、従来のように機能を中断してから切り替える必要がないため、対応する機能が増えれば便利に活用できそうだ。 なお、マルチプレイウィンドウ対応を果たしているアプリは今のところEZナビウォークとEZ助手席ナビのみ。他のアプリは今後の対応を待つ必要があるとのことだ。PCサイトビューアーやPCドキュメントビューアー、各種EZアプリなどはマルチプレイウィンドウには非対応。このあたりはぜひ早急に対応を進めてもらいたい。 待受画面からさまざまな情報やツールにアクセス可能──「au one ガジェット」もう1つのKCP+端末の新機能が「au one ガジェット」である。au oneガジェットは、Windows VistaやMac OS Xなどに採用されている、ガジェットやウィジェットと呼ばれるコンパクトなアプリケーション類のような、端末の待受画面に配置できる便利なツールだ。EZニュースフラッシュなどと組み合わせて、待受画面をより有効に活用できる。 設定方法は簡単で、EZwebとEZニュースフラッシュの初期設定を行った後、au one ガジェット設定を行うだけでいいようだ。au oneガジェットを設定すると、待受画面にはGoogleの検索窓が設置される。さらに、待受画面にWeb上の情報を定期的に取得して表示させたり、電卓や時計、ゲームなどを簡単に呼び出せたりする機能が利用できる。ブログの更新状況をチェックし、その場から直接ブログにアクセスすることも可能になるという。待受画面内にどのようにガジェットを配置するかは、事前に用意された数パターンの中から選べる。 なお、ガジェットは出荷時に端末にプリセットされるものと、BREWアプリのようにサイトからユーザーが個別にダウンロードするものの2種類がある。説明員によれば、「EメールやCメール、発着信履歴、カレンダー、フォトビューアなど、端末内の機能を利用するものはプリセットされて出荷する予定。それ以外の、通信機能を利用するようなものはau oneポータルの専用ページからダウンロードする形になる」とのこと。 au one ガジェットには、KDDIおよびその提携企業が提供する「au one メールガジェット」「au one テレビガジェット」「au one ブログガジェット」「au one GREEガジェット」「au one 乗換ガジェット」「au one 新着情報ガジェット」「au Auctionsガジェット」などが用意されている。 また、コンテンツプロバイダ各社からもさまざまなガジェットが提供される予定だ。
メニューや待受画面にはアクロディアの「VIVID UI」を採用KCP+端末のユーザーインタフェースの作り込みには、KDDIが先日ライセンス契約を結んだアクロディアの「VIVID UI」を活用する。 VIVID UIでは、ユーザーのニーズに合わせてインタフェースの見た目や操作感をカスタマイズする機能や、3D/2Dグラフィックスによる多彩な表現機能、背景やアイコンで動画を扱う機能などを用意している。KDDIはこのVIVID UIをパッケージとして端末メーカーに提供することで、端末メーカーは容易にユーザーインタフェースのデザイン変更が可能だという。 発表会場にはVIVID UIのエミュレータを使用したW56T、W54S、W54SAのメニュー画面のデモが展示されていた。VIVID UIを利用したメニューや待受画面は、すでにドコモのシャープ製端末などで製品化されているが、KCP+で提供するVIVID UIでは待受画面、メニュー、アドレス帳、メールの送受新画面や電話の着信画面など、待受から1キーでアクセスできるところはほぼすべてデザインできる。すでに制作済みのFlashデータやOpenGL ESを利用した3Dデータ、動画などもコンバートして活用可能とのこと。データ容量は「1.5Mバイトまでは正常に動作することを確認している。作り方次第ではそれ以上の容量でも利用可能」だと説明員は話していた。
関連キーワードau | アクロディア | ガジェット | KCP+ | au one | KDDI | W56T | W54SA | EV-DO Rev.A | W54S | QUALCOMM(クアルコム) | KCP(KDDI Common Platform)関連記事
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