“プレミアム”と“キャラケー”で攻める──ソフトバンクモバイル孫正義氏(1/2 ページ)

» 2007年10月24日 13時15分 公開
[園部修,ITmedia]

 ソフトバンクモバイルは10月22日、同社の2007年秋冬商戦を担う新端末ラインアップを発表した。この秋冬モデルのテーマは“プレミアム”。発表会では孫正義社長が登壇し、自ら企画会議に参加して、細部までこだわり抜いて作ったという新端末を披露した。

数々の“こだわり”から生まれた「プレミアム」ケータイ

Photo ソフトバンクモバイル代表取締役社長の孫正義氏

 「今回発表するラインアップは、これまでの品ぞろえよりさらにかっこよく、もっと上質感を追求したもの。材質、機能、デザインなど、あらゆる面でこだわり抜いた。これまでの、スタイルやファッション、デザイン、機能といった個々のテーマを超えた、プレミアムという言葉で表現できる端末だ。自信作の数々を一緒に楽しんでほしい」

 発表会の冒頭で孫氏はこう話し、自慢のラインアップを1つ1つ紹介した。秋冬モデルの新端末の中でも、特に“こだわり”を込めたのが「AQUOSケータイ 920SH」「PHOTOS 920SC」「MIRROR 821P」「THE PREMIUM 820SH」「THE PREMIUM 821SH」といった、ペットネームを持つ機種だ。

 フラッグシップモデルとなる、AQUOSケータイ 4th model 920SHは、国内最大の16:9フルワイドVGA表示に対応した3.2インチ新モバイルASV液晶を搭載。920SHは、孫氏いわく「ソフトバンクのワンセグ端末でもっとも売れたモデル」だが、2つの問題があったという。それは、独特の回転機構や高機能ゆえに、どうしても本体が厚くなってしまうこと、そして海外では使えないことだ。

 しかし「これは違う」と感じたという孫氏は、もっと薄さにこだわり抜くことを指示し、厚さ18ミリという、史上もっとも薄いAQUOSケータイを実現した。しかし、薄くするために機能を削ることはせず、ユーザーが普段使っている端末を、海外に持って行ってそのまま使えるよう、AQUOSケータイとしては初めて国際ローミングにも対応。海外でも電源を入れればそのまま使えるようにした。「まさにこだわり抜いたプレミアムなAQUOSだ」(孫氏)

 PHOTOSの愛称が付けられたSamsung電子製端末920SCは、有機ELディスプレイと光学3倍ズームの500万画素カメラ、キセノンフラッシュなどを搭載する「映像にこだわり抜いたデジカメケータイ」。パナソニック モバイルコミュニケーションズのMIRROR 821Pは、鏡のような美しいホログラムのミラーパネルを配し、つめの長い女性でも開きやすいワンプッシュオープンボタン、キーを押しやすいウェーブタイルキーなどを備えた、「女性が好む色、形、デザインにこだわり抜いたケータイ」だという。

Photo 特にこだわりを込めたという“プレミアム”なモデル、AQUOSケータイ 920SH、PHOTOS 920SC、MIRROR 821P

 そして、2007年秋冬モデル全体のコンセプトでもある“プレミアム”を、そのまま愛称に採用した、まさに秋冬モデルの代表機種がTHE PREMIUM 820SHおよびTHE PREMIUM 821SHの2機種。特に厚さ12.9ミリのボディにワンセグやFeliCaといった、日常使用する端末にぜひほしい機能をしっかり搭載している821SHは、今回の自信作である。孫氏が「自分個人用のケータイとして、発売後にいち早く乗り換えたい機種」というほどのお気に入りだ。

 「このTHE PREMIUMは、薄さや上質感、素材にこだわり抜いて作り上げた。今までの機種には、いくつかの反省点があった。薄さにこだわるあまり、機能が劣っていたり、キーが押しにくかったりする機種もあった。しかし820SHや821SHには、ワンセグやFeliCaなど、必要なものはほとんど全部入っている。もちろんキーも押しやすい、操作がしやすいという点にも注意した。画面も大きく見やすい。世界でもっともセクシーなワンセグ機種になったと思う。自分が持って、心がときめくような、大人の機種を出せたと思う」(孫氏)

Photo “THE PREMIUM”の名を冠した820SHと821SHは大トリでの紹介。孫氏はタキシードに着替えて登場した

 なお、東芝製の「920T」やパナソニック モバイルコミュニケーションズの「820P」は正当進化モデル、シャープの「AQUOSケータイ 822SH」は920SHの廉価版という位置づけになる。

 ボーダフォン時代は、どうしても品ぞろえが他キャリアに比べて少ない、かっこよくないといった指摘を受けることが多かったというが、「この新端末ラインアップを見ていただければ、色数、デザイン、機能といったすべてが最も優れたラインアップになっているのではないかと思う」と自信を見せた。

商標登録した「キャラケー」でコアなファンを狙い撃つ

Photo シャア専用ケータイ「913SH G TYPE-CHAR」を掲げる孫氏

 プレミアムケータイに加えて、孫氏が「コアなファンを狙い撃つ」と意気込むのが、商標登録もしたという「キャラケー」である。

 キャラクターケータイ、略してキャラケー。コーディネートパネルやメニュー画面、ディスプレイの周囲やダイヤルキー周り、イルミネーションなどがカスタマイズできる東芝製端末「fanfun. 815T」を中心に、「新しい世界を作り込んでいく」(孫氏)

 fanfun. 815Tでは、すでにさまざまなブランドやキャラクターとのコラボレーションが発表されている。いずれも9月下旬以降の発売予定となっていたが、2007年秋冬モデルを発表した10月22日から、ソフトバンクオンラインショップで、一部コラボレーションモデルの予約受付を開始した。販売は11月中旬ころになるという。

 コラボレーションモデルの発表以来、発売が待たれていた「ハローキティケータイ」と「スヌーピーケータイ」も満を持して登場する。多くのコラボレーションモデルはオンラインショップでの販売が中心になる(一部のソフトバンクショップでも販売する)が、ハローキティケータイとスヌーピーケータイは全国のソフトバンクショップとオンラインショップ両方で取り扱う。

 こうしたコラボレーションモデルは、単純に専用のコーディネートパネルが用意されるだけでなく、その世界観や特別感を打ち出すための小物類と端末をセットで販売するのが特徴だ。たとえばハローキティモデルなら、7色の端末カラー(ホワイト、ビビッドピンク、パールピンク、ベビーピンク、ローズ、シャンパンゴールド、ブラック)に合わせてそれぞれ7種類のコーディネートパネルを組み合わせ、さらにオリジナルストラップとジュエリーボックスをセットで販売する。スヌーピーケータイも同様で、コーディネートパネルに加えフィギュア3体とケータイを差すとオルゴールになるドッグハウス、トートバッグが付属する。

 ちなみに孫氏が「子供のころから大ファンで、自分でもときどき絵を描く」というスヌーピーケータイでは、同氏自らディスカッションに加わって絵柄まで選定したほか、「こういうドッグハウスを付けよう」とスケッチを描いて企画会議で推したのだという。

PhotoPhotoPhotoPhoto 続々登場予定のfanfun. 815Tをベースにした“キャラケー”の数々
PhotoPhotoPhotoPhoto アニメやマンガのキャラクターだけでなく、芸能人やブランドとのコラボレーションも行っていく

 「単に着せ替えをしようというのではなく、もっと濃い、深いマニアにもたまらないものを用意する。人気のケータイになるように、新しい世界を作り込んでいく」(孫氏)

 fanfun. 815Tのコラボレーションモデルは、ハローキティやスヌーピーのほかにもミッフィー、リラックマ、科学忍者体ガッチャマン、ヤッターマン、水木しげるキャラクター(ゲゲゲの鬼太郎ほか)などを続々発売予定。また松岡充さん(SOPHIA)、玉置成実さんら芸能人やアーティストとのコラボモデルもラインアップする。

photo 「携帯を単に便利な道具ということではなく、ライフスタイルそのものにしていきたい」(孫氏)

 そして、さらにユーザーを驚かせたのがシャープ、もとい“ジオニック社”製のシャア専用ケータイ「913SH G TYPE-CHAR」だ。「充電するのが楽しくてたまらないプレミアムグッズ付き」と孫氏に紹介されたこのケータイ。ガンダムの世界観を反映するため細部にまでこだわり抜き、“世界一大きな携帯充電器”を製品化した。

 「携帯を単に便利な道具ということではなく、ライフスタイルそのものにしていきたい」(孫氏)

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