ドコモの70xiシリーズはハイエンドの90xiシリーズと比べて、個々の機能よりデザインやコンパクトさ、値段で勝負という印象があり、カメラ機能についてもシンプルなものが多い。しかし、パナソニック モバイルコミュニケーションズ製の「P704i」はちょっと面白そうな端末だ。
P704iは、厚さ13.5ミリの薄くて軽いスライドケータイ。カメラは有効200万画素CMOSを採用し、きちんとAF(オートフォーカス)と手ブレ補正機能が付き、さらに撮影時に“パッ”と強く光る「スマートフラッシュ」を搭載する。
裏面を見ると普通にカメラのレンズがあるだけ。ここでカメラモードにしてスライドさせると、隠れていたフォトライトが顔を出して、自動的に点灯する。“自動的”というのがミソ。気にせずフォトライトが点灯し、撮影時に強く“パッ”と光るようになっている。
撮影時はダイヤルキーに割り当てられる機能ショートカットで設定を簡単に変えられるので、ダイヤルキーを露出させた方が便利だ。だからついついスマートフラッシュが光ることをすっかり忘れて、本体をスライドさせて撮ってしまう。特に昼間や屋外だとフラッシュが光ったことにも全然気が付かなかったりする(まあ、周りが十分明るければフラッシュが光ろうが光るまいが写りにはさほど関係ない)。目立ちたくないときやフラッシュを光らせたくないときにはちょっと注意しておく必要もありそうだ。
スマートフラッシュの有効範囲は約40〜60センチ。周りの明るさによっても有効距離が変わるのでもう少し幅広く考えてもよさそうだが、近すぎると明るすぎて白飛びしてまうし、遠いとあまり効果がない。さすがにデジカメのキセノンフラッシュのようにはいかない。また、部屋の照明によってはフォトライトの光が緑っぽく見えるのが少々気になるところ。
では改めてカメラの仕様を確認していこう。
撮像素子は有効200万画素のCMOSセンサーでAF付き。本体を横向きに構えて持つと右側面のキーがシャッターになる。ただしこのキーは半押しによるAFロックが効かない。シャッターを切ると、一気に合焦→撮影、という感じになる。
AFロックは十字キーの下キーで行う。本機はスライドボディの端末ながら、上下の段差が少ない「フラットスライド構造」を採用したのも特徴の1つで、十字キーを使う場合も操作しやすくて印象がよい。
撮影時の画面は横向きと縦向きの文字やアイコンが混在して少々ややこしい。とりあえず本体を横向きに持つと考えると、下段に撮影設定のための7つのショートカットアイコンが並ぶようになっている。このアイコンは現在の撮影設定を示すほか、[メール]キーと十字キー、あるいはダイヤルキー操作で明るさやホワイトバランス、撮影モード、撮影サイズなど基本的な撮影設定を即座に変更できる。これは便利。
ここにない詳細項目は[iモード]キーの機能メニューから設定する。ちなみにメニューは……縦向きで出現する。横なのか縦なのかなんとも統一感がないわけだが、まあ……何というか、割り切りなのか、と思うことにする。
手ブレ補正やフォーカスモードなどは機能メニューから設定する。手ブレ補正は上下/左右/前後それぞれの軸に対する回転ブレを補正する「6軸補正」タイプ。補正を有効(オート)にすると画像サイズが少し小さくなる(1536×1152ピクセル)。
カメラの起動は約2秒となかなか高速。撮影後の保存時間も、最大の2MサイズをmicroSDカードに保存する場合で約3秒。全体にサクサク快適に使えるのはうれしいところだ。
では、肝心の作例をチェックしていこう。
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