5分で分かる、先週のモバイル事情10月27日〜11月2日

» 2007年11月05日 20時14分 公開
[ITmedia]

NTTドコモが冬モデル23機種を発表

 NTTドコモは11月1日、冬モデル23機種を発表した。例年1月に発表されている70xiシリーズの端末を、主力端末の905iと同じタイミングで発表するという異例の発表会で、番号ポータビリティ開始以後、2回の純減を記録するなど、KDDIやソフトバンクモバイルと比べて純増ペースが鈍っているドコモの“危機感”がにじみ出る派手なものだった。

 23機種の内訳は、905iシリーズが企画端末を含め10機種、705iシリーズが13機種。

 905iシリーズの主力端末にはHSDPAやGPS、国際ローミング(3G/GSM)、ワンセグなど、ハイエンド端末に必須の機能をすべて盛り込んだ。ディスプレイの解像度は3インチ以上のフルワイドVGA(480×854ピクセル、もしくは480×864ピクセル)となっており、従来の端末から大きな進化を遂げている。また企画端末にはVIERAやAQUOS、Cyber-shotなど、家電メーカーの有名ブランドを冠した端末がラインアップされたのも大きな特徴の1つ。905iシリーズ最薄の“μ”端末も初めてラインアップされた。

 705iシリーズは、一部機能はないものの、従来どおり個性的な端末をラインアップ。LG電子製の“Shine”や70xiシリーズ初のノキア製なども登場したほか、薄型のμシリーズは厚さ9.8ミリの「N705iμ」「P705iμ」に加えて三菱電機製の「D705iμ」やカメラなしの「PROSOLID μ」なども用意する。

 これだけのラインアップを一挙に発表した理由を、ドコモの取締役常務執行役員プロダクト&サービス本部長辻村清行氏は「今後の方向性をユーザーへ早く伝えるため」だと説明。ずっと取り組んできたFOMAネットワークの改善や新料金プラン、端末の新たな購入方法「バリューコース」「ベーシックコース」などと組み合わせて利用できる新端末は「自信を持って提供できるものになった」(辻村氏)という。

 新端末のキーワードは「世界」「映像・エンタメ」「便利」「安心」の4つ。905i、705iシリーズ全機種で3Gの国際ローミングに対応したほか、905iシリーズの8機種、705iシリーズの3機種でGSMの国際ローミングにも対応。905iシリーズではワイドVGAディスプレイを搭載する機種を大幅に増やし、さらに905iシリーズ全機種と705iシリーズの10機種で利用できる「地図アプリ」を提供する。また10月1日から始まった気象庁の緊急地震速報を利用する「エリアメール」を、905iシリーズの発売と同時期に開始する予定。905iシリーズは全機種、705iシリーズは6機種が対応する。

 従来HSDPA端末向けに提供していた音楽情報配信サービス「Musicチャネル」が拡充され、「Music&Videoチャンネル」として動画配信もサポート。音楽だけでなく、テレビドラマの本編や映画の予告編、スポーツ、アニメーションなどのカテゴリーで最長30分間の動画を配信する。

 辻村氏は「905iはこれまでの携帯電話で実現した進化の形を集大成させた。すべての機能を使いたいという、ハイスペック志向のユーザーに応えるものだ。705iは、スリムボディやファッションデザインなど、ユーザーが個性に合わせて端末を選べる、こだわりのシリーズ」だと話した。

アドビシステムズ、Flash Lite 3の提供を開始、ドコモとNokiaが採用

 アドビシステムズが10月31日、携帯端末向けFlashプレーヤーの最新バージョン「Adobe Flash Lite 3」の説明会を開催。NTTドコモとフィンランドのNokiaが、Flash Lite 3搭載端末をリリースすると発表した。

 Flash Lite 3はPC向けのFlash Player 8の機能をベースに開発されたプレーヤーで、Action Scriptは2.0に対応。新たにFlash Video(FLV)の再生に対応したのが大きな強化ポイントとなっている。アドビシステムズ モバイル&デバイスビジネスユニット グローバルエバンジェリストのビル・ペリー氏は「現在インターネット上で公開されている動画の約7割はFlash Video形式で、YouTubeなどの、ユーザーが動画を投稿できるサイトの多くはFlash Video形式での動画配信を行っている」と、Flash Videoのサポートが大きな意味を持つことを強調。またFlash Media Serverからの配信に対応し、ユーザー認証や視聴制限、課金システムとの連携、ワンタイムURLなどへの対応も強化されている。

 なお、NTTドコモの905iシリーズの一部機種にもFlash Lite 3は搭載されているが、905iシリーズ上ではFlash Videoの再生はできないようだ。

アイピーモバイル、自己破産を申請し免許を返上

 2GHz帯の周波数で、TD-CDMA方式での携帯電話事業を展開予定だったアイピーモバイルが、10月30日に東京地裁へ自己破産を申請。同日総務省に携帯電話事業免許を返上した。

 「ポケットの中のインターネット」を標榜し、独自の「モバイル・ブロードバンド・ゲートウェイ」(MBG)と呼ぶコンパクトなTD-CDMA対応無線LANアクセスポイントを端末として供給し、無線LAN搭載機器でアイピーモバイルネットワークを利用してもらうというユニークな計画を持っていた同社だが、資金調達がうまくいかず、結果的には11月9日までの商用サービス開始に間に合わなかった。

 同社は2007年に入ってから、筆頭株主がマルチメディア総合研究所、森トラスト、米NextWave Wireless、杉村五男氏(アイピーモバイル会長)と次々に変わり、最終的には香港のDistacomグループへの支援を要請していたが、事業開始のめどが立たなかったようだ。負債総額は9億円。

WiBro World Forumでイー・アクセスの諸橋氏がOpenWinのWiMAX事業を説明

 KIICA Tokyo(韓国情報通信国際協力振興院)は10月29日と30日の2日間、東京でWiBro World Forumを開催した。このフォーラムでは、モバイルWiMAX互換のサービスとして韓国で商用サービスが始まっているWiBroの技術紹介や、関連企業によるサービス開発の現状解説などを実施。日本で注目が高まっているWiMAX事業について、韓国企業との橋渡しなどを行った。

 その中でイー・アクセスのWiMAX事業本部CTO兼技術開発部長の諸橋知雄氏が講演し、オープンワイヤレスネットワーク(OpenWin)が実現を目指している、2.5GHz帯を利用するモバイルWiMAXサービスについて説明した。

 諸橋氏は、「オープンでグローバルなビジネスを携帯市場に持ち込む」ため、エンドユーザーに直接サービスを提供するのではなく、MVNO方式でネットワークを提供することを改めて説明。東京都内の実証実験では、10MHz幅の帯域を使用して、下りで16Mbps以上のデータ転送速度を実現したことなども明らかにした。

ウィルコムが「Advanced/W-ZERO3[es]アカデミックパック」発売

 ウィルコムは11月5日から、教育機関に所属する中学生以上の学生/生徒および教職員、そして学校法人や教育委員会などの教育機関の法人ユーザーを対象に、「Advanced/W-ZERO3[es] アカデミックパック」を販売する。

 Advanced/W-ZERO3[es]アカデミックパックは、新規購入価格が2万7600円(ウィルコムストアで新規契約の場合)に設定されており、 W-VALUE SELECTで購入すると、1150円×24カ月(計2万7600円)の割引が受けられ、実質負担額0円でAdvanced/W-ZERO3[es]が購入できるようにしたもの。

総務省、携帯端末向けマルチメディア放送サービス等の在り方に関する懇談会開催

  総務省は10月29日、「携帯端末向けマルチメディア放送サービス等の在り方に関する懇談会」の第3回会合を開催した。同懇談会は、2011年に停波となる地上波アナログテレビ放送の空き周波数帯の活用、ビジネスモデルや社会的役割、それをふまえた制度的、技術的課題を検討していくものだ。MediaFLOやデジタルラジオ、ISDB-Tmmなどが対象になっている。

 第3回会合では、デジタル放送研究会と、マルチメディア放送企画LLC合同会社がプレゼンテーションを行い、アナログFM放送にデジタルの信号を加えて放送するハイブリッドラジオ放送や、ISDB-Tmm(ISDB-Tを応用したサーバ型放送サービス)の紹介などを行った。

ソフトバンクモバイルのホワイトプラン契約数、900万件を突破

 ソフトバンクモバイルは10月30日、同社の料金プラン「ホワイトプラン」の申し込み件数が900万件に達したと発表した。

 ホワイトプランは月額980円で、1時から21時のソフトバンク携帯同士国内通話料を無料、それ以外の国内通話料を一律21円/30秒、ソフトバンク携帯へのメールを無料とする料金プラン。同プラン向けのオプションサービス「Wホワイト」(プラス980円で通話料半額:10.5円/30秒)の契約数も同日現在で270万件に達した。

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