au携帯のプラットフォーム、「KCP+とオープンOSを並列で走らせることになる」――KDDIの小野寺社長

» 2007年12月19日 17時29分 公開
[後藤祥子,ITmedia]
Photo サービスごとに適したプラットフォームは異なると指摘する小野寺正社長。「広告宣伝モデルで運営するコンテンツにオープン型が適しているのは間違いなく、(課金が発生する)有料コンテンツにはクローズ型が適している」(小野寺氏)

 「オープン系と垂直統合型と平行して走らざるを得ない」――。社長会見の場で、Googleの携帯向けOS「Android」のアライアンスに参画する理由を問われたKDDIの小野寺正社長は、今後のプラットフォーム戦略について、こう説明した。

 日本の携帯電話市場は、キャリアが端末の仕様やサービスを策定する垂直統合型が主流で、メーカーやコンテンツプロバイダはキャリアが決めた仕様に沿って端末やサービスを開発するのが一般的。KDDIもau端末に共通プラットフォームのKCP、KCP+を導入し、それをベースに端末やサービスを開発するというビジネスモデルを採用している。

 しかし携帯市場には、ユーザーニーズやサービスの多様化、検索サービスの本格導入、一般サイトの隆盛、PC系インターネットサービスのモバイル化などの変化が起こっており、ビジネスモデルが大きく変わりつつある。また既存のキャリアでも、イー・モバイルやウィルコムは、オープン型のビジネスモデルを推進している。

 小野寺氏はこうした携帯業界の変化を背景に、サービスによって最適なプラットフォームが異なるのではないかと指摘。「情報系やSNSのようなサービスはオープン系、ショッピングやオークション、GPSを使った助手席ナビなどのような有料コンテンツは(KCP+のような自社の共通プラットフォームをベースとした)垂直統合でないと課金がやりにくい。(未成年ユーザー向けの)フィルタも難しい問題で、ホワイトリストは垂直統合型でやっているものは管理できるが、“それ以外のオープンサイトは誰が管理するのか”という問題が絶対に出てくる」(小野寺氏)

 こうした変化にKCP+を中心とした垂直統合型モデルだけで対応するのは難しいとし、今後のプラットフォームについては「おそらくKCP+と、(オープン系OSの)2系列、3系列という形に将来的にはなるだろう」(小野寺氏)という見方を示した。「例えば、Windows Mobileも1つの対象だと思う。最終的にどうするかは決めていないが、Windows Mobileのようなものと並列で走らざるを得ない」(同)。Googleの携帯向けOS「Android」のアライアンスへの参画も、同社のプラットフォーム戦略の一環という位置づけのようだ。

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