日立製作所の「W61H」は、背面に電子ペーパーディスプレイ“シルエットスクリーン”を搭載するのが特徴のWIN端末だ。市販される端末で、電子ペーパーディスプレイを採用するものはW61Hが国内では初めてで、今後どういった進化をしていくのかが楽しみな端末といえる。
ボディは「Woooケータイ W53H」がベースになっており、裏側から見るとWoooケータイとほぼ同じ。ディスプレイは回転2軸タイプで、ディスプレイを表にして折りたためばワンセグやカメラをコンパクトな形状で楽しめる。厚さは電子ペーパーディスプレイを搭載するためWoooケータイより少々厚くなっているが、背面は2色成型で、W43Hなど歴代の日立製ワンセグ端末をほうふつとさせる。
背面に搭載された電子ペーパー製の「シルエットスクリーン」は、約2.7インチ相当の大きさ。あらかじめ設定されている約95種のパターンを表示できる。クリスタルホワイトとグラファイトブラックは、「サルビア」のグラフィックデザイナー、セキユリヲ氏とのコラボレーションによりデザインされたパターンを内蔵。kusari、akikusa、mizutama、madoという4つのテーマの絵柄が用意されている。一方リキッドグリーンは日立製作所オリジナルのもので、ボタニカル、蝶、ドット、星空、エリアの5つのテーマを提供する。
W61Hに搭載されている電子ペーパーは厚さが約0.4〜0.6ミリほどで、文字や絵などが自在に表示できるフルドットタイプではなく、あらかじめ表示できるパターンが決まっているもの。そのため電話の着信に合わせて表示するパターンを変えたり、パターンの点滅速度を変えたりはできるが、シルエットスクリーン上に電話番号や名前、メールの件名などを表示することはできない。またバックライトは備えていないため、暗い場所で模様を確認するのは困難だ。あくまでも模様が動く着せ替えパネルのように考えておくのがいいだろう。
ボディは回転2軸タイプで、ワンセグやカメラはディスプレイを外側にして端末を折りたたんで利用できる。このあたりの使い勝手は2007年秋冬モデル「Woooケータイ W53H」とほぼ同じだ。ディスプレイを表にして閉じた状態で[TV]キーを短押しすると、専用のメニューが起動する。ここからワンセグやカメラなどが起動可能だ。なおこのメニューに表示されるすべての機能がディスプレイを表にした状態で利用できるわけではないという。起動後はダイヤルキーなどでの操作が必要な機能もある。
ダイヤルキーはW53Hとは異なり、ほぼフラットで光沢感のあるシート状のキーを採用した。押しやすさに配慮し、1つ1つのキーはW53Hより大きくなっている。各キーの境目には山を設け、押し間違いを防ぐ。キーのバックライトは全カラーで白色LEDを採用しており、ボディカラーと同じ色に光る。
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