「N705i」は、NECケータイとしては「N905i」に次ぐ2機種目のワンセグ対応機であり、基本的な仕様や操作性はN905iを継承している。ただし、N905iで利用できる番組録画、予約録画、タイムシフト再生、ワンセグ効果(音質の設定)には対応しない。なお、連続視聴時間は約4時間40分、ECOモード設定時は約5時間50分だ。
N705iはN905iのようにワンセグ起動用のキーは搭載していないが、「chキー設定」で「ワンセグ」を設定すると、待受け時に[ch]キーの短押しでワンセグが起動する。また、デスクトップアイコンに登録された「ワンセグ」アイコンを選択するのも有効だ。
ワンセグの操作は、上下キーで音量調節、左右キーでチャンネル変更、決定キーで横画面と縦画面の切り替え、通話キーでデータ放送とテレビ操作の切り替えが可能。縦横どちらでもキーの割り当ては同じだ。
N705iはワンセグ用のアンテナを内蔵しており、アンテナを伸ばさずにテレビを視聴できる。受信感度が気になるが、手元にあったソフトバンクの「912SH」と「912T」を使い、東京都練馬区で数回ワンセグを起動したところ、912SHと912Tではワンセグを受信できたが、N705iでは受信できない(映像が表示されない)ことが多かった。N705iは窓際にケータイを置けばおおむね受信できたが、それでも不安定な受信状態だった。
ワンセグ視聴中に起動できる機能は、メール、iモード、フルブラウザ、スケジュール、アラーム、ライフヒストリービューア、テキストメモ、電卓、アドレス帳、辞典、データBOXのマイピクチャなど。これらの機能は、ワンセグの音声をバックグラウンドで再生しながら利用できる。ワンセグのほかに起動できる機能は最大3つで、それ以降は3つ目の機能と入れ替わる形で呼び出せる。
最近は、ワンセグの映像を表示させながらメールやWebを閲覧するといった「マルチウィンドウ」に対応した機種が多いが、N705iはマルチウィンドウには非対応。N905iはワンセグ映像とメール画面(新規作成、受信メール)の同時表示ができるが、N705iはワンセグ視聴中にメールを起動すると、メール画面のみに切り替わる。
カメラ、バーコードリーダー、赤外線通信、ロック設定などは、ワンセグと同時には起動できない。「地図アプリ」や「海外旅行便利ツール」などのアプリは起動できたが、ワンセグの音声は一時停止してしまう。
ワンセグ視聴中に電話の着信があると、ワンセグは一時停止し、終話するとテレビが再開する。タイムシフト再生機能はないので、中断されたシーンにさかのぼって再生することはできない。一方、ワンセグ視聴中にメールを受信すると、アドレス帳に登録したメールの差出人の名前とメールの件名をテロップ表示し、ワンセグが中断することはない。この機能を利用するには、MENU→「各種設定」→「ディスプレイ」→「クイックインフォ設定」から設定しておく必要がある。
このように、N705iのワンセグはシンプルなもので、N905iのような予約録画や画質調整といった機能は備えていない。スタンダードな705iシリーズに搭載されるだけでに、あくまでオンエアを視聴することが目的と言えるだろう。
また、デザインを優先させるためか、ワンセグのアンテナは内蔵式になっている。室内など電波が到達しにくいシチュエーションでは、ロッドアンテナを搭載する端末に比べて不利な印象だ。N705iのワンセグは、積極的に使うこともできるが、駅での待ち時間などちょっとした時に“あって良かった”と思える機能と言えそうだ。
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