全然大丈夫「ごめん、着信音」Mobile&Movie 第297回

» 2008年03月07日 20時50分 公開
[本田亜友子,ITmedia]
作品名全然大丈夫
監督藤田容介
制作年・製作国2008年日本作品


 今回ご紹介する作品は、大人計画の個性派俳優、荒川良々主演の『全然大丈夫』。不器用で滑稽な登場人物たちは、悲しくもいとしくもあり。“大丈夫、大丈夫”と癒され、温かな笑いに包まれる物語です。

 てるお(荒川良々)は、世界一怖いおばけ屋敷を作ることを夢見ている29歳。植木屋でアルバイトをしながら、考えているのは人を怖がらせるアイデアばかり。そんなてるおの友人・久信は清掃会社で働く真面目な会社員。パートの主婦にも好かれ、誰もが認める“いいひと”。久信はてるおに付き合って、人を怖がらせるいたずらをしてきましたが、最近これでいいのかと考えるようになり

 「来年、30歳になるんだから、こんな幼稚なことしてる場合じゃないよ」

 と、てるおに言ってしまいます。久信は説教されたと思い、逆ギレ。上から目線が気に入らないと悪態をつきます。そんなイライラをさらに募らせるのが最近様子のおかしい、てるおの父(蟹江敬三)。てるおと会話していても心ここにあらず、食欲もないようで、経営している古本屋の店番も億劫なよう。それでも、てるおは父のことはあまり深く考えず、久信も一目置いてくれるような、人を怖がらせるアイデアを練っていました。

 しかし、ある日突然てるおの父は、ふらりと旅に出てしまいます。困ったてるおは、姉(伊勢志摩)と相談。真剣に家族会議をしているところで

 「ヒュ〜、ドロドロドロ〜」

 と、おばけが出てくる時のような音が鳴り響きます。驚く姉に、てるおはシレッと

 「ごめん、着信音」

 と言って、携帯電話に出ます。

 「もしもし、えっ今日だっけ?」

 怖がらせることに成功して上機嫌のてるおは友人からの電話に明るく答え、姉を残して出かけて行ってしまいます。父がいなくなった後もマイペースなてるお。

 一方、久信はてるおに強く言ってしまったことを少し後悔しつつ、てるおの父がいなくなってしまったことを心配していました。店番がいなくて困っているのを知り、久信はある女性を紹介することに。それは、以前、久信の清掃会社で働いていたものの、あまりにも不器用でクビになってしまったあかり(木村佳乃)。不幸そうなオーラを放っているものの、美しいあかりに久信は淡い恋心も抱いていたのでした。

 さっそく古本屋に連れて行くと、てるおももちろんあかりを気に入り、店番として働くことに。ぎこちないながらも一生懸命働くあかりの姿に、てるおもまた想いを寄せるように。あかりをめぐる、てるおと久信の三角関係はどうなるのでしょう……。

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