「N705i」の文字入力機能は、基本的に「N905i」「N905iμ」の仕様を継承している。日本語入力システムに「MogicEngine2+」を備え、本文エリアに直接入力できるインライン入力にも対応した。
かな入力から英数カナに変換する機能もサポートしており、例えば「かさ」と入力してメールキーで「英数」を選ぶと、「AD」「23」「カサ」などが変換候補に表示される。ここで「23」を選ぶと、「日」「時」「分」などの単位が連携予測されるので、待ち合わせの時間を入力する際などに重宝する。ただし、「2月3日」や「2時3分」など、月日や時間を含む予測は行わない。
数字の変換時に日時の単位を連携予測する機種は多いが、N705iは「人」「円」「件」「号」「名」「本」「度」「点」などその他の単位も連携予測できるなど、ほかの機種よりも一歩リードしている。
さらにN705iは、かな入力から変換した英数カナの単語を学習してくれるのも便利だ。例えば、「ひしく」と打って「英数」キーを押すと「NEC」に変換できるが、その後「ひ」と打つだけで変換候補に「NEC」が表示される。これは、数字やカナも入力した際も同様だ。この英数カナの学習機能はサポートしていない機種は意外と多いので、チェックしておきたい。
もう1つ便利だと感じたのが、予測変換で学習した単語の履歴を個別に削除できる機能だ。変換候補にカーソルを合わせた状態でクリアキーを長押しすると、その単語が変換候補から削除される。誤変換した文字を学習させてしまった場合など、学習履歴すべてをリセットしたくない場合に役立つ機能だ。
文字入力画面でメールキーを押すと絵文字一覧が表示される。ここでさらにメールキーを押すと、半角記号→全角記号→デコメ絵文字という順に切り替わる。いずれの文字も、画面下部に一覧が表示され、(入力済みの)本文を参照しながら入力できる。決定キーで連続入力できるほか、過去に入力した履歴が一覧の最上段に表示されるため、繰り返し入力が簡単だ。
絵文字や記号の一覧の表示中にchキーで「全面」を選ぶと、本文エリアが消え、絵文字や記号一覧を画面全体に表示。一度により多くの絵文字や記号を、見比べることができる。
N705iのメール自動振り分けは、受信メールと送信メールの両方に対応しており、メールアドレスや題名などを振り分け条件に設定できる。ただし「アドレス帳登録外」は設定できない。迷惑メールや不要なメールを一掃できることを考えると、用意してほしい項目だ。また、振り分け設定前のメールを振り分ける「再振り分け」にも対応していない。
フォルダの機能メニューからのフォルダロックも可能だ。ロックされたフォルダにはカギのマークが表示され、暗証番号を入力しないとアクセスできない。また、「メール設定」→「BOXロック」から、受信BOX、送信BOX、保存BOXを一括ロックすることもできる。
NEC端末の文字入力は、N904iからキーアサインが大きく変更され、他メーカーのケータイを使っていた人でも違和感なく操作できるようになった。筆者は普段、ソフトバンクモバイルのシャープ端末を使っているが、句読点の位置、通話キーによる逆送り、「ぁ」「っ」など小さい文字の入力など共通する操作が多く、N705iもほぼ同じ感覚で文字入力が行えた。
特に、英数カナの入力機能が秀逸で、数字+多彩な単位の変換、英数カナの学習は、一度使うと“あって当たり前”と思えるほど、文字入力には不可欠な機能といえるだろう。全体的に文字入力操作の完成度は高く、不満点は少なかった。
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