Sweet Rain 死神の精度「携帯の番号を教えろ!」Mobile&Movie 第302回

» 2008年04月11日 13時08分 公開
[本田亜友子,ITmedia]
作品名Sweet Rain 死神の精度
監督筧昌也
制作年・製作国2008年日本作品


 今回ご紹介する作品は、6年ぶりに金城武が日本映画に出演する『Sweet Rain 死神の精度』。金城武扮する死神は人間を七日間観察し、死に値するか判断を下します。以下、内容に触れますので、これから見る予定の方は注意して下さい。

 人間の死が、死神によって判断される世界。死期が近付いた人間の前に死神は現れ、不慮の事故が起きる前の七日間観察し、その人間が“実行”(死)か、“見送り”(生かす)かを決めていました。人間界では千葉と名乗る死神(金城武)は、いつも人間を淡々と観察し、ほとんど“実行”としていました。仲間の中には、人間の最後の思い出を美しく変えていく死神もいました。

 ある雨の夜、千葉が担当することになったのは、藤木一恵(小西真奈美)というOL。会社の苦情処理係として働く一恵は、どこか暗い影のある女性でした。千葉が人間界を訪れる時はいつも雨降りなので、一恵に傘がぶつかったことを話しかけるきっかけにしました。しかし、一恵は警戒し、千葉のもとから足早に逃げていってしまいます。

 それから、千葉は大好きなミュージックが聞けるCDショップで雨宿りしながら、会社帰りの一恵を観察するようになりました。やがて、一恵と再び会話する機会が訪れ、千葉は一恵の影の理由を知ることになります。

 「君は死ぬことについてどう思う?」

 そう尋ねた時の一恵の表情を見て、生死の判断を決めた千葉。そぼ降る雨の中、人間界を後にしたのでした。

 それから、千葉は何人かの人間の生死を眺め、雨の降る中でまた印象的な人物と出会います。それは、藤田(光石研)というヤクザの死の判定をする時に、藤田の子分として知り合った阿久津(石田卓也)。ヤクザの抗争に巻き込まれ、藤田が四面楚歌という状態の中で、何とか藤田を生かしたいと阿久津は奔走していました。藤田は親のいない阿久津を本当の弟のように、かわいがってくれた恩人なのです。そんな阿久津に千葉は、人間はいつか死ぬと冷静に諭しますが、藤田に生き続けてほしいと突っぱねるばかり。

 しかし、阿久津と千葉は、藤田と対抗する組織に捕らえられてしまい、藤田に助けを求めるよう、脅されます。

 「携帯の番号を教えろ!」

 と凄まれても、阿久津は睨みつけ、黙りこくっていましたが、千葉は

 「090-****-****」

 と藤田の携帯電話の番号をスラスラと答えてしまいます。

 「お前、何言ってんだ!」

「番号を教えている」

 「やめろ!」

 阿久津に怒鳴られても、平然としている千葉。やがて、携帯電話で呼び出され、阿久津を助けるためにやって来た藤田。千葉が決めた、藤田の生死の判定とは? 愛情や憎しみに振り回され、一喜一憂する人間を冷静に見つめている死神。雨の降り続く日は、もしかしてあなたのそばにも……。

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